「圧巻の作画力に瞠目」中川真知子(映画×テクノロジーライター)|『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』マルチレビュー

公開中の話題作を4人の評者が“忖度なし”で採点する新企画「映画チャンネル」マルチレビュー。今回は、大ヒット中の映画『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 』を徹底レビュー。果たしてその評価は? 点数とあわせて、本作の魅力と課題を多角的に掘り下げる。※評価は5点満点とする。(文・編集部)

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圧巻の作画力に瞠目

中川真知子(映画×テクノロジーライター)

【採点評価】4点

 開始直後から圧倒的な画力に度肝を抜かれた。アニメ業界出身の筆者は、あまりのクオリティに頭が混乱したままだった。制作工程がわからない。いや、わかっているのだが、わかっているからこそ、途方も無い作業量に「本当にやったのだとしたら狂気の沙汰」としか思えず、頭が理解を拒んだ。

上映時間は約3時間。呆然と口を開けたままエンドクレジットを迎えた。作画と作画監督の多さに驚愕しつつ納得した。制作進行の少なさに眩暈がした。一体どんな組織形態であればこれが作れるのか、どんな才能が集まればこの作品ができるのかわからない。初回鑑賞では作画に圧倒され物語を存分に堪能できなかったので上映中に何度か通い存分に楽しむつもりだ。

【著者プロフィール 中川真知子】
映画xテクノロジーライター。アメリカにて映画学を学んだのち、ハリウッドのキッズ向けパペットアニメーション制作スタジオにてインターンシップを経験。帰国後は字幕制作会社で字幕編集や、アニメーションスタジオで3D制作進行に従事し、オーストラリアのVFXスタジオ「Animal Logic」にてプロダクションアシスタントとして働く。2007年よりライターとして活動開始。「日経クロステック」にて連載「映画×TECH〜映画とテックの交差点〜」、「Japan In-depth」にて連載「中川真知子のシネマ進行」を持つ。「ギズモードジャパン」「リアルサウンド」などに映画関連記事を寄稿。

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【了】

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