「回想シーンにのれるか否かが分かれ目に」近藤仁美(クイズ作家)『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』マルチレビュー

公開中の話題作を4人の評者が“忖度なし”で採点する新企画「映画チャンネル」マルチレビュー。今回は、大ヒット中の映画『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 』を徹底レビュー。果たしてその評価は? 点数とあわせて、本作の魅力と課題を多角的に掘り下げる。※評価は5点満点とする。(文・編集部)

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回想シーンにのれるか否かが分かれ目に

近藤仁美(クイズ作家)

【採点評価】3.5点

 本作でまず印象的なのは、圧巻の映像表現だ。幾重にも広がり、刻々と組み替えられる無限城の様が、素晴らしいクオリティで眼前に現れた。

 ただし、「無限城編」は長い物語の途中から途中までを描いたものなので、鑑賞前には原作である漫画版、またはテレビアニメ版を押さえておくことを強くお勧めする。加えて、本作は回想シーンがかなりたっぷりとしている。ここでうるっとくるか、ついていけなくなるかは、人によってきれいに分かれるだろう。

 2020年の「無限列車編」は、その年の年間興行収入世界一を記録しており、後続する本作にもかなりの期待がかけられていたことと思う。変わらない原作リスペクトと、大スクリーンで観る意義のある映像からは、つくり手の矜持が感じられた。

【著者プロフィール 近藤仁美】
クイズ作家。国際クイズ連盟日本支部長。株式会社凰プランニング代表取締役。これまでに、『高校生クイズ』『せっかち勉強』等のテレビ番組の他、各種メディア・イベントなどにクイズ・雑学を提供してきた。国際賞「Trivia Hall of Fame(トリビアの殿堂)」殿堂入り。著書に『クイズ作家のすごい思考法』『人に話したくなるほど面白い! 教養になる超雑学』などがある。

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【了】

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