「恐怖だけじゃない、異色のホラー」村松健太郎(映画ライター)|映画『事故物件ゾク 恐い間取り』マルチレビュー
公開中の話題作を4人の評者が“忖度なし”で採点する新企画「映画チャンネル」マルチレビュー。今回は、Snow Man・渡辺翔太が初の単独主演を務める映画『事故物件ゾク 怖い間取り』を徹底レビュー。果たしてその評価は? 点数とあわせて、本作の魅力と課題を多角的に掘り下げる。※評価は5点満点とする。(文・編集部)
——————————
恐怖だけじゃない、温かさもある異色のホラー
村松健太郎(映画ライター)
【採点評価】2点
前作はしっかりと“ホラー映画”と銘打った映画の中で最大級のヒットとなった。そこからの5年ぶりの続編。監督&原作は変わらないが、それ以外の特にキャストの部分は全く変わっているので続編色が薄い独立した作品と言っていい。前作は原作者の松原タニシを彷彿とさせる主人公が登場したが、今回の主人公はかなりアレンジが入っている。
映画全体も物件ごとに章立てはされているものの1本の大きな流れの中の起伏であって、その点でも大きな変更点と言えるだろう。何より“優しさという感情”をホラー映画の前面に押し出したのはかなり異色な内容と言える。謎が散りばめられているので見終わってから答え合わせをするのも良いかと。
【著者プロフィール 村松健太郎】
脳梗塞と付き合いも15年目を越えた映画文筆屋。横浜出身。02年ニューシネマワークショップ(NCW)にて映画ビジネスを学び、同年よりチネチッタ㈱に入社し翌春より06年まで番組編成部門のアシスタント。07年から11年までにTOHOシネマズ㈱に勤務。沖縄国際映画祭、東京国際映画祭、PFFぴあフィルムフェスティバル、日本アカデミー賞の民間参加枠で審査員・選考員として参加。現在各種WEB媒体を中心に記事を執筆。
【関連記事】
・「サービス精神が裏目に出た構成」中川真知子(映画×テクノロジーライター)|映画『事故物件ゾク 恐い間取り』マルチレビュー
・「実話ゆえの緊張感と、物件描写の物足りなさ」近藤仁美(クイズ作家)|映画『事故物件ゾク 恐い間取り』マルチレビュー
・「核心に迫り切らないジレンマ」タナカシカ(映画チャンネル編集部)|映画『事故物件ゾク 恐い間取り』マルチレビュー
【了】