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映画オリジナルラストの評価は? 黒島結菜の初登場シーンを見直したくなるワケ。映画『夏目アラタの結婚』考察&評価レビュー

映画『TRICK』シリーズ(2002~)など、数々の話題作を手掛けてきた堤幸彦監督の最新作『夏目アラタの結婚』が公開中。死刑囚との獄中結婚を描いた特殊な物語を、柳楽優弥と黒島結菜が見事に演じた。2人の演技派俳優と鬼才・堤監督の演出が絡み合う本作の魅力を解説する。(文・村松健太郎)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】

狂気の連続殺人鬼“品川ピエロ”

『夏目アラタの結婚』
©乃木坂太郎/小学館 ©2024映画「夏目アラタの結婚」製作委員会

 3人の男性を惨殺し、遺体を切り刻んだ猟奇殺人鬼・通称“品川ピエロ”こと品川真珠(黒島結菜)。一審で死刑判決を受けた彼女は、いまだに遺体の一部を遺棄した場所について沈黙を貫いていた。

 元ヤンで現在は児童相談所の職員をしている夏目アラタ(柳楽優弥)は、被害者男性の内の1人の息子が自分の名前を騙って真珠と文通を繰り返していたことを知ると、自分が直接、拘置所で面会して秘密を聞き出すと手を挙げる。

 アラタは真珠との関係を特別なものするためにプロポーズ、いわゆる獄中結婚をする。毎日のように拘置所で面会を繰り返し真珠と駆け引きをするアラタ。そんなアラタに対して真珠は突然「ボク、誰も殺してないんだ」と言い出す。

 そして、真珠はアラタとの会話の中の端々でこれまで明かされてこなかった事柄を話し出すようになっていく。

 漫画『医龍-Team Medical Dragon-』(小学館)などで知られる乃木坂太郎の同題コミックを、『TRICK』(2002~)、『イニシエーション・ラブ』(2015)、『十二人の死にたい子どもたち』(2019)の鬼才・堤幸彦監督が映画化。

 近年はドラマや舞台作品が多く、映画を手掛けてもインディーズ体制であったり中小規模の作品であったりすることが続いていた堤監督だが、久しぶりにメジャー大作体制下での新作となった。

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