前作との大きな違いとは?
前作と今作の大きな違いは、ライリーを形成する感情たちの立場の変化、必要ないと追い出されたヨロコビの素性が現れたところにあると感じる。
ライリーがより大人への階段を登るにつれて、心理状態は複雑さを増し、司令部を追い出された旧感情たちは、あらゆる手を尽くしながら司令部へ帰還しようと企てる。
ヨロコビが思いつく方法を試すイカリ、ビビリ、ムカムカだったが、そのどれもが思いつきで現実味のないもの。痺れを切らしたムカムカは、ヨロコビは妄想的であると指摘する。
その際に初めて、ヨロコビは常にポジティブでいることの大変さを曝け出す。
感情がここまで露骨に心の内を吐露する場面が描かれたのは、『インサイド・ヘッド』シリーズ史上これが初めてだろう。ヨロコビはポジティブに、カナシミはネガティブにと、決まった役割を与えられている感情たちの新しい一面が明らかになる。
ライリーだけでなく、彼女の中にある感情が成長していく姿を見られたのは、続編ならではの良さだった。