エンディングに込められたメッセージ
今作のエンディングが発するメッセージは、「全ての経験があなたらしさを形作る上で、かけがえのないものである」と、筆者は受け取った。
ライリーのためを思い、ヨロコビが主体で、善い思い出だけを残して作り上げた信念と、シンパイが先行して悪い思い出主体で作り上げたそれぞれの信念は、そのどちらもが、ライリーではなく感情が先行して作り上げたものであった。
かつてヨロコビが残さないと決めて、遠くに飛ばしていた嫌な思い出たちを含む、全ての記憶が実は、ライリーを作り上げる上でかけがえのないものだったと、感情たちが気づく。
これは、忘れていいような必要のない思い出など、決して存在しないというメッセージでもある。
本作を観る者は、ライリー自身がそうであったように、自分で自分の信念を作り上げることの大切さを、登場する全ての感情とライリーから受け取ることができるだろう。
もし、続編を期待できるのならば、大学生や大人になる場面のライリーに、どのような感情たちが生まれるのだろうか。想像を膨らせてその日を待ちたいと思う。
(文:Sakura Ito)
【作品情報】
タイトル:『インサイド・ヘッド2』
監督:ケルシー・マン(『モンスターズ・ユニバーシティ』、『2分の1の魔法』)
制作:マーク・ニールセン(『トイ・ストーリー4』)
日本語版声優:大竹しのぶ (カナシミ)、 多部未華子 (シンパイ)、 横溝菜帆(ライリー)、村上(マヂカルラブリー/ハズカシ)、小清水亜美 (ヨロコビ)、小松由佳(ムカムカ)、落合弘治(ビビリ)、浦山迅(イカリ)、花澤香菜(イイナー)、坂本真綾(ダリィ)
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン ©2024 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
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