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出オチ感が否めないタイトルの「自白」

山崎育三郎
俳優の山崎育三郎Getty Images

そして、肝心のタイトルである『お前の罪を自白しろ』なのであるが、なんと、物語中盤で、あっけなく、その件は終了してしまうのだ。

まず、犯人が要求した17時に宇田清治郎は、他の賄賂の罪を記者会見で自白するが、犯人は「やりなおせ」と再要求する。まあ、当たり前のことである。犯人が自白してほしいのは、その件ではないのだから。

そして、次のタイムリミットである22時に再び記者会見を開き、「橋の建設地の移転理由は、総理の友人の会社の土地を高値で購入するため」と自白し、議員を辞職。柚葉は、ある草木が生い茂る野原に放置されたキャリーケースの中にて、警察と共に捜査をしていた晄司が発見し、無事、救出される。

…といった流れで、中盤にて、「はい、タイトルの回収、終了~~!」状態なのである。そもそも、このタイトル自体が、序盤ですでに、犯人からの汚職をしている政治家に対してだということがわかっているので、スリリングさに欠けるのだ。

少なくとも、何の情報もない状態でこのタイトルを見た筆者は、「自白」というワードから、警察署の取調室内におけるドラマを、当たり前のように連想してしまった。まあ、それに対するいい意味での裏切りとも捉えられるが、「政治家の記者会見」においての「自白」というフレーズが、どうにもしっくりこないのである。

そして、ここまでの肝である「記者会見」についても言及したい。

まず、神谷美咲(美波)を中心とした報道記者たちは、宇田清治郎の汚職について、当然、質問を飛ばしまくり、神谷たちは、宇田の発言に納得がいかない。

この描写には、「まった!」をかけたい。「いや、柚葉ちゃん誘拐事件について、もっと触れろ!」ということである。常識的に考えて、普通はそっちの心配をする方が優先だろと。

また、記者会見に行き着くまでに、「記者会見まで●:■」といった、タイムリミット表示がされるのだが、これも「それ、いる!?」というのは、正直な感想である。

タイムリミットまでに「指揮権発動」のため、晄司は次期総理を狙う日本新民党幹事長幹事長である木美塚壮助(角野卓造)と接触するなど、色々と動くのではあるが、大した緊迫感はない。時間を表示する意味が特になく、それこそ、肩透かし感満載なのである。

それをやるのであれば、「この時間内になんとかしなければ」感をもっと出すべきであり、観ている側にハラハラ感をもっと伝えるべきだと、断言したい。

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