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お笑い芸人による珠玉のループもの5選

© 2023『ペナルティループ』FILM PARTNERS
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この記事を書くにあたり、『ペナルティループ』と絡めて過去の名作ループものを紹介する記事を多数見かけた。同じことをしてもしょうがないので、今回は「お笑い」に限定して、芸人さんが生み出したループものをいくつか紹介したい。(以下、芸人さんの名前敬称略)

①マヂカルラブリー『傘』(2018)

『キングオブコント2018』の決勝でも披露された、「コンビニの傘置きでビニール傘を探す時間」が繰り返すループものだ。「こんなとこじゃなくない!?なんでこんなどうでもいいとこずっとループしてんの?」という村上のツッコミからもわかるように、すでに定番化したループものをフリにしたコントとなっている。まず村上がループに気づき、それを敵対する中年男性(野田クリスタル)に伝える。さらには中年男性の「傘を盗まれた過去」に向き合って、「傘泥棒を捕まえる」という目的を達成させて時間を進ませる。まさにループものの王道展開。現時点で最も純粋にループものを取り入れたコントと言えよう。

②しずる『能力者』(2012)

道で偶然出会った2人の能力者の会話劇で、時間を巻き戻す能力を持つ村上が、上から目線の弱小能力者・ゴンダを、巻き戻しを繰り返して打ち負かしていくループものだ。ゴンダが優位に立とうとするたびに、村上は時間を戻し、先手を打ってそれを防ぐ。このコントは、『キングオブコント2012』でも披露されて高得点を叩き出した。ちなみにKOCver.で、時間を戻すときの効果音として使用されたサカナクションの「アルクアラウンド」のMVも、曲の始まりと終わりで時間がループするループものとなっている。

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