北欧をモデルにした美しい街並みー映像の魅力
本作の映像的な魅力といえば、なんといってもキキが訪れるヨーロッパ風の街並みの美しさを挙げなければならない。
主なモデルとなったのは、スウェーデンのストックホルムとゴットランド島のヴィスヴューの街並みで、Googleマップで調べると「グーチョキパン店」に似た店やトンボとキキが歩いたレンガの道がそっくりそのまま観察できる。
さらに美術監督の男鹿和雄は、これらの北欧の街並みにアイルランドやサンフランシスコ、リスボン、パリ、ナポリなどの風景を織り交ぜており、ファンタジックでヨーロピアンな街並みを見事に描出している。
なお、作中でウルスラがキキをモデルに描いた絵も、実在の絵がモデルになっている。「天馬と牛と鳥が夜空をかけていく」(1976年)がそれだ。
この作品は、八戸市立湊中学校の養護学級の生徒が制作した版画作品で、宮崎の義理の父である大田耕士が版画教育に携わっていたことこら採用されたという。
この作品は、ジブリの森美術館にレプリカが収蔵されているほか、青森県立美術館にも展示されている。気になる方はチェックしてみてはいかがだろうか。