ユーミンの艶やかな歌声ー音楽の魅力
本作では、シンガーソングライターの松任谷由美(荒井由美)が楽曲を提供。オープニングテーマとして「ルージュの伝言」(1975年)が、エンディングテーマとして「やさしさに包まれたなら」(1974年)が使用されている。
まず「ルージュの伝言」から紹介しよう。恋人の浮気と旅立ちを歌った本曲。思春期の少女を描いた本作のオープニングにはいささか不釣り合いにも思えるが、昭和歌謡調のメロディーも相まり、絶妙な高揚感を提供してくれる。
また、エンディングテーマで使用されている「やさしさに包まれたなら」は、空を飛ぶキキやトンボに相応しい爽やかでノスタルジックなナンバー。子どもらしさをテーマとした歌詞も、本作のテーマとピッタリといえるだろう。
なお、劇伴を担当するのはスタジオジブリ作品ではおなじみの久石譲。
久石は本作で、ヨーロッパの舞曲をモデルに、ヨーロピアン・エスニックな楽曲を多数提供している。また、演奏では、ヨーロッパの民族楽器であるダルシマやアコーディオン、ギターといったヨーロッパをほうふつとさせる楽器を多用し、作品世界を盛り上げている。
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