スラムダンクの名セリフに興奮…映画を魅力的にする90年代の空気感とは? 『青春18×2君へと続く道』考察&解説レビュー
text by 村松健太郎
『新聞記者』『ヴィレッジ』の藤井道人監督の最新作にして、日本×台湾合作映画『青春18×2君へと続く道』が公開中だ。主演はシュー・グァンハンと清原果耶。今回は、ジミー・ライの紀行エッセイを原作にした本作のレビューをお届けする。(文・村松健太郎)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:村松健太郎】
脳梗塞と付き合いも15年目を越えた映画文筆屋。横浜出身。02年ニューシネマワークショップ(NCW)にて映画ビジネスを学び、同年よりチネチッタ㈱に入社し翌春より06年まで番組編成部門のアシスタント。07年から11年までにTOHOシネマズ㈱に勤務。沖縄国際映画祭、東京国際映画祭、PFFぴあフィルムフェスティバル、日本アカデミー賞の民間参加枠で審査員・選考員として参加。現在各種WEB媒体を中心に記事を執筆。
清原果耶と藤井道人の三度目のタッグ作
日台合作企画『青春18×2君へと続く道』が公開中だ。エグゼクティブプロデューサーに台湾出身の国際派スターチャン・チェンが名前を連ねている。
主人公ジミーの18歳から36歳まで通して演じるのは台湾を中心にアジア圏で活躍する若手ホープのシュー・グァンハン。大学進学を控える10代後半からみずから起業したゲーム会社を追放されるまでを演じている。
ヒロインのアミにはNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」、映画『線は、僕を描く』の清原果耶(藤井監督とは3度目のタッグ)。
アミは“自分にしか描けない絵を描く”バックパッカー。財布を無くしたことでジミーのバイト先のカラオケ店にて住み込みで働き始める。
18年後すべてを失ったジミーはアミからの届いた葉書に残るかすかな香水の香りからアミと過ごした夏を思い出し、日本を旅することになる。