千と千尋の神隠し【ネタバレあり】あらすじ
ハクは、この場所で生きていくには、相手の名前を奪って支配する湯婆婆という魔女の元で働くしかないと告げる。仕事を持たないものは動物の姿に変えられて、食べられてしまうからだ。
その後、千尋は、釜爺という蜘蛛人間や、湯屋で働いている女性・リンに助けられ、湯婆婆の元へ行く。湯婆婆には何を言われても「ここで働かせてください」としか言ってはいけないというハクの教えのもと、千尋が懇願し続けると、名前を奪われ「千」という名で働くことを許される。
しかし、「本当の名前を忘れてしまうと元の世界へは帰れなくなる」とハクに忠告される。ハクも外の世界から迷い込んで、湯婆婆に名前を奪われてしまった者の一人だった。だが、ハクは千尋のことを知っており、自分の名前は思い出せなくても千尋のことは覚えていた。
ブタになった両親を助けるために油屋で働き始めた千だったが、ある雨の日、油屋の庭にいた謎の存在・カオナシを中に招き入れてしまう。
そんな中、人間であるということで従業員から嫌われていた千は、強烈な悪臭を放つクサレ神の接客を任されてしまう。だが、千尋の働きにより、クサレ神は河の神様に姿を変え、千尋には不思議な団子を、油屋にも大量の砂金を残して帰っていった。
これにより、湯婆婆も従業員も千を褒めて喜んだ。その夜、千は河の神様からもらったお団子を一口かじるが、あまりの苦さに悶絶する。しかしこれが後に役立つのではないかと考え、大切にするのであった。
翌日、目覚めた千は油屋が賑わっていることに気づく。昨日、千が招き入れたカオナシが砂金をばら撒く羽振りの良い客であると盛り上がり、料理や踊りでもてなしているところだった。
そんなことに興味を示さない千は、外に出ると龍の姿をしたハクを見る。ヒトガタの式神に追われてひどい怪我を負うハクは、湯婆婆のいる最上階の部屋へ向かうところだった。千は急いで最上階へ向かうが、子供部屋に迷い込んでしまう。
そこでは湯婆婆が溺愛する息子・坊が寝ており、「一緒に遊べ」としつこく迫られる。千は手についていたハクの血を見せて脅かし、なんとか逃げるのだった。
やっとの思いで湯婆婆の部屋にたどり着いた千は、瀕死のハクを発見する。そこへ、ヒトガタが湯婆婆と瓜二つの姉・銭婆に姿を変えて現れ、ハクが銭婆のハンコを盗んだことと、湯婆婆と契約して魔法を手に入れたことを知る。銭婆は魔法で坊をネズミに変えると、その隙に龍のハクがヒトガタを切り、銭婆は姿を消す。
千は、釜爺のボイラー室で龍のハクに、河の神様からもらったニガダンゴを半分飲み込ませる。すると銭婆のハンコを吐き出す。その後、ハクを助けるために、銭婆にハンコを返しにいくと告げ、釜爺から電車の切符をもらう。
一方その頃、豪華な食事を食い荒らして巨大化したカオナシが、従業員を飲み込んでいた。カオナシは『千を出せ』と暴れ、湯婆婆でも手に負えない状況だ。
カオナシはやっと現れた千の気を引こうと手から料理や砂金を出すが、それを断り、カオナシの口にニガダンゴを放り込むと怒ったカオナシが千を追いかける。すると飲み込まれた従業員が次々と吐き出されていく。なんとか逃げ出した千は、ネズミに姿を変えた坊たちと徐々に元どおりになりつつあるカオナシを連れて、銭婆の元へ向かう。
その頃、目を覚ましたハクは湯婆婆の元へ行き、坊がネズミの姿に変えられ、銭婆の元へ向かっていると告げる。そして、坊を連れ戻すことを条件に、千を元の世界へ返すことを約束させる。
千がいくつもの駅を越えて銭婆の家にたどり着くと、穏やかな銭婆が迎え入れてくれる。銭婆にハンコを返すと、千はお守りの髪留めをもらう。そこへハクが千を迎えにやってくる。銭婆とその場所に残ることになったカオナシに別れを告げると、ハクは千や坊を乗せて夜空を飛んで帰るのであった。
ハクの背中に乗っていた千は、ふとハクと出会った記憶を思い出す。幼い頃に川へ溺れたことがあり、その川が「コハク川」という川だった。そこでハクは自身の本当の名前は「コハク川」だと告げる。
ハクと千が油屋に戻ると、湯婆婆や従業員が待ち構えていた。そして湯婆婆が油屋の前に集めたブタの中から両親を当てたら解放してやると難題を出す。千はこの中に両親がいないことを言い当てると、湯婆婆と千の契約が破れ、晴れて自由の身となった。
千を見送るハクは、トンネルを出るまで振り返ってはいけないと言い、自分も本当の名前を思い出したことで湯婆婆の弟子をやめて元の世界に戻ることを約束する。千尋が草原を歩いていると、人間の姿の両親が何事もなかったかのように待っていた。
トンネルを抜けて、千尋が振り返ると銭婆にもらった髪留めがキラリと輝いた。