齋藤飛鳥の演技力とオーラ
正直、キャストが発表されたときから、「この実写化は絶対に成功する!」と思えていたわけではない。まず、アイを演じた齋藤は、もちろんビジュアルは完璧だし、大人気アイドルグループ・乃木坂46のエースとして活動してきた実績もある。ただ、齋藤はアイとは対極に位置するタイプなのでは? と思っていた。
たとえば、アイが太陽だとしたら、齋藤は月。どちらかというと、影を纏っている印象が強い。しかし、実際にドラマを見てみると、「アイが実在していたら、こんな子だったんだろうな…」と思わされた。それはきっと、齋藤の演技力とオーラがあったからこそだと思う。
また、アイとアクアとルビーは、漫画のなかでは目に星を宿しているのだが、これもなかなか完全再現するのがむずかしい。「星の模様が入ったカラーコンタクトをつけるのかな?」なんて思っていたが、そこは役者陣の表現力で見事にカバーできていたと思う。とくに、ルビーを演じた齊藤は、アイドルになるという目標に向かい、全力で進んでいるときの“光”に満ちた瞳と、“闇”堕ちしたあとの瞳を見事に演じ分けていた。