原菜乃華と“有馬かな”の整合性
アクアを演じた櫻井海音は、正直なところ、原作漫画のアクアにビジュアルが似ているわけではない。しかし、そんなことを気にさせないほどの演技力を持っているため、筆者のまわりでは「アクアがいちばんハマり役だった」と言っている人が多かった。
個人的に、いちばんハマり役だったと感じたのは、原菜乃華が演じた有馬かな。有馬かなは、原作漫画では赤髪のため、原もカラーリングをして撮影に挑むのかと思ったが、ドラマ版ではライトが当たると赤っぽく見える…くらいの自然な髪色になっていた。原作を何から何まで踏襲するのではなく、「そのキャラが実在していたら、どんな風になるのか?」を重視していたのが、原が演じた有馬かなだったように思う。
また、現在放送中のドラマ『民王R』(テレビ朝日系)でも演技力を見せつけていたあのは、MEMちょ役でも存在感を発揮していた。あのも、齋藤と同じくどちらかといえば陰よりのキャラクターだと思うが、ゴリゴリの陽キャ・MEMちょを違和感なく演じきっていたのだから、すごい。
そして、物語の鍵を握るカミキヒカル役には、二宮和也ときた。アイドルとして、一時代を築いてきた二宮が、アイドルをテーマに掲げた作品に出演するというのも、ファンにとってはエモーショナルを感じるポイントなのではないだろうか。そのほかにも、成田凌や金子ノブアキ、倉科カナなど、実力派キャストが勢揃い。まさに、成功するべくして成功したとも言えるドラマ版『【推しの子】』。まだの方は、ぜひチェックしてみてほしい。
(文・菜本かな)
【作品概要】
ドラマシリーズ全8 話+映画
原作:「【推しの子】」赤坂アカ×横槍メンゴ(集英社「週刊ヤングジャンプ」刊)
出演:櫻井海音 齋藤飛鳥 齊藤なぎさ 原菜乃華 茅島みずき あの
企画・プロデュース:井元隆佑
脚本:北川亜矢子
音楽:fox capture plan
監督:スミス、松本花奈
©赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・東映 ©赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・2024 映画【推しの子】製作委員会
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【了】