気になる恋の行方は…?
ーー今回、リリーさん演じるシロウは、MEGUMIさん演じる女性と恋に落ちますが、リアクションがとても初々しくて、チャーミングでした。
リリー「シロウさんは相変わらずですよね。今回、season2に登場した関智一さん演じるサエキっていうミュージシャンが意外な形で再登場しますけど、あのキャラを引き続き擦っているのがめちゃくちゃ面白い」
―――凄くいいシーンで携帯からサエキの歌声が流れてくる…。ついつい笑ってしまいました。
リリー「エピソードが折り重なって、話が複合的になっていってますから。今回3回目をやってみて、season1から積み重ねてきたものが、面白味としてちゃんと出てきてるなっていうのは実感しましたね」
斎藤「そうですね。ただ、ちゃんと視聴者の方に届いているのだろうか? という僕とリリーさんの共通の不安があって(笑)、僕らだけにしかこの積み重ねの面白さがわからないのではないか、 という懸念もあったんですけど、こうしてちゃんと面白がってくれる人の言葉を聞けて安心しました」
―――season3から見始めた人も、どうやらお馴染みのキャラクターが出てきたという時に、バックボーンが知りたくてseason1から遡って観る、ということも大いにあり得ると思います。ヨシオもそうですが、シロウさんのキャラの味わいもより深まってきました。
リリー「シロウさんは、すぐに人を好きになるわりには童貞臭さがある人なので」
斎藤「臆病さが愛おしいですよね」
リリー「あまりグイグイいく感じじゃないんですよね。話がまとまってからは調子乗るんですけど。片想いの段階では意外とシャイ」
斎藤「そうですよね。デートよりも風邪を引いた娘にスポーツドリンクを届けることを優先しつつ、でもやっぱり気になって行ってしまう。すごくシロウさんらしい行動だなと思います。そういうシロウさんの奥手で不器用な部分は、ヨシオにも影響を与えている気がします」
リリー「『恋は桃色』っていうタイトルどおり、みんな恋をしてはいるんだけれども、奥手な人しか出てこないというね」
――― “ゆったりした時間の心地良さ”という最初のトピックに関連するお話です。
リリー「思い返すと、season1の頃は物語の展開がもうちょっと急ぎ足でした。シロウさんの恋が2回くらい描かれていたりして。でも、シーズンを重ねるごとに段々ゆったりになっていって、その分ドラマとしてのリアリティはどんどん高くなっている」
―――短い時間に沢山の情報量を詰め込んでいくようなタイプの作品が流行する中、ある意味、真逆のアプローチで別の面白さを掴んでいるところが素敵だと思います。
斎藤「最初から狙っていたわけではないんですけど、不思議なコンテンツになりましたね」
リリー「どんどんゆったりになっていけば良いと思う。でも、プロデューサーはハルとヨシオをくっ付けたがっているんですよ」
―――シロウの心情的にも、演じるリリーさんの心情的にもそれは許せないと(笑)。
リリー「そうなったら“終わりの始まり”じゃないですか」
斎藤「物語に明確なゴールテープがないからこそ、2人の関係がどう転がるのかは、1つの指標になりますよね」
リリー「僕はそれをずっと拒否しているんですけど。ただ、やっぱり最終的にはペンションを継いでもらわないといけないからね」
―――season3のラストでは、season4製作決定の報せがありました。今後の展開も楽しみにしております。本日はありがとうございました。
(取材・文:山田剛志)
斎藤工 衣装クレジット
ジャケット ¥79,200、シャツ ¥57,200、パンツ ¥63,800(以上全てUJOH/M(エム)03-6721-0406)
シューズ スタイリスト私物
【関連記事】
【写真】リリー・フランキー&斎藤工がカッコいい…。貴重な未公開スペシャルグラビアはこちら
深川麻衣の演技の魅力を若葉竜也が語る! 映画『嗤う蟲』スペシャル対談インタビュー。城定秀夫監督との仕事を振り返る
「自分らしさを消して演じました」映画『悪鬼のウイルス』初映画主演・村重杏奈がTV出演をセーブして挑んだ本作への思いを語る
【了】