ドラマ『ガンニバル』シーズン2考察&感想。心臓がバクバクしっぱなし…今後の物語を動かすカギとなりそうな意外な人物は?【ネタバレ】
「あなたの常識が、食われる」。ドラマ『ガンニバル』シーズン2が3月19日より、ディズニープラス スターにて配信中だ。本作は、閉ざされた村社会で常識が揺るがされるヴィレッジ・サイコスリラー。さっそく現時点で公開中の4話までのレビューをお届けする。(文・まっつ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
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【著者プロフィール:まっつ】
1993年、東京生まれ東京育ち。本職はスポーツウェブメディアの編集者だが、エンタメ・お笑いライターとして修行中。1週間に20本以上のラジオを聴く、生粋の深夜ラジオ好き。今一番聴くべきラジオは『霜降り明星のオールナイトニッポン』。好きなドラマは『アンナチュラル』、『いちばんすきな花』、『アンメット』。
大悟(柳楽優弥)の狂気に心臓がバクバクしっぱなし
狂ってる――。いや、狂い合っている――。
ドラマ『ガンニバル』シーズン2の第3話と第4話では、そんな思いを刻み込むため、まるで殴られたような衝撃を序盤から何度も見せつけられる。
第2話では警察と後藤家による全面戦争が繰り広げられ、大悟(柳楽優弥)は子供たちを保護したものの、激しい銃声の前に建物の前に閉じ込められた。残りの銃弾は1つで万事休す。しかし、決死の思いで飛び出していく彼を見ていると、「生き場所」はむしろこっちなのではと思わされる。
敵ともみ合いながら戦う大悟はとにかく強い。過去の記憶もフラッシュバックしながら、不気味な敵であった理(中島歩)さえなぎ倒していく。
先週まで、警察という国家権力を相手に真っ向から銃を取り、全滅させていた後藤家の主力隊に恐怖していた。しかし、「オラー!」と叫びながら躊躇なく弾丸を撃ち込む大悟に気づけば同じ感情を抱いている。
狂気が伝播したのか、それとも大悟が元々胸の奥底に持っているものなのか。いずれにせよ人が持つ狂気を直で見せられるようなシーンの連続に心臓はバクバクしっぱなしだ。
どんどんと自分の信じる正義へと突き進んでいってしまう大悟。そのあまりの危うさに「待ってよ」と声をかけたくなるのだが、“温度差”の演出も秀逸だった。