俳優としての自立を決意した転機

阿部顕嵐 写真:武馬怜子
阿部顕嵐 写真:武馬怜子

―――その後もさまざまな経験を経て、7ORDERとして活動をするようになったのですね。

「現在に至るまで、本当に濃い時間を過ごしてきました。やはり一緒に働く人が変われば、自分の周りの状況も変わりますし、人に頼りっぱなしではいけない、自立しなければいけないということを知りました。5月に7ORDERを脱退しますが、それもまた、周囲の人や状況の変化が僕の心を動かし、僕自身も将来をしっかり見据えて出した前向きな結論です」

―――今後は俳優1本でと決めているのでしょうか?

「活動を俳優に絞りたいです。もちろん応援してくださる方たちが、歌ったり踊ったりしている自分を見たいと言ってくださるのであれば考えなくはないけれど、今の自分は俳優活動に全振りするという気持ちです」

―――俳優の仕事の魅力とはなんでしょうか?

「役としてさまざまな人生を歩めることも魅力ですが、みんなで1つの作品を作り上げることが喜びですね。作品がスタートしてから完成するまで、いろんな景色を見ることができるので。これは音楽にも言えることなんですが、自分が体を動かして、いろいろな人と話し合って、築き上げていく作品に関われることが好きです」

―――阿部さんは舞台のプロデュースもされているので、いずれ映像作品では監督もおやりになるのではと想像するのですが、考えていらっしゃいますか?

「これまでいろいろな監督とお仕事させていただき、演出している姿を見てきたので、生半可な気持ちではできない仕事だとわかっています。でも興味はありますし、いずれ演出の分野もやってみたいです。だから『Scooper』の撮影でも澤田育子監督をはじめ、スタッフの皆さんの動き、やり取りを観察していました。
カット割りはどうやって決めているんだろうと。この台本のこのシーンはいくつカットを割るのか……など、スタッフさんに聞いたり、自分でも考えたりしていました」

―――現場で学んでいたんですね。

「スタッフの皆さんの会話に入って、学んだ知識を確認したりしていたら『そんなこと俳優さんは知らなくてもいいんだよ』と言われました(笑)。でも撮影現場の裏側のすべてに興味があり、知ることが楽しくて仕方がないんです」

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