ドラマ『ガンニバル』シーズン2考察&感想。完全燃焼…これぞ「日本のドラマの完成形」と確信したワケ【ネタバレ】

text by まっつ

「あなたの常識が、食われる」。ディズニープラス スターにて配信中のドラマ『ガンニバル』シーズン2がついに完結を迎えた。本作は、閉ざされた村社会で常識が揺るがされるヴィレッジ・サイコスリラー。さっそく最終話のレビューをお届けする。(文・まっつ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:まっつ】

1993年、東京生まれ東京育ち。本職はスポーツウェブメディアの編集者だが、エンタメ・お笑いライターとして修行中。1週間に20本以上のラジオを聴く、生粋の深夜ラジオ好き。今一番聴くべきラジオは『霜降り明星のオールナイトニッポン』。好きなドラマは『アンナチュラル』、『いちばんすきな花』、『アンメット』。

見事な幕引きだった『ガンニバル』

『ガンニバル』シーズン2 © 2025 Disney 第8話
『ガンニバル』シーズン2 © 2025 Disney

 美しき終焉の物語だった。

『ガンニバル』シーズン2は全8話をもってしてついに完結。シーズン1から続く作品は見事な幕引きだった。

 シーズン1はミステリーともいうべき謎多き不気味さが際立っていた。供花村ではなぜ人を喰っていたのか、後藤家はなぜ絶対的な存在なのか、そして「あの人」とは何なのか――。

 いずれもシーズン2で明らかとなる謎は、シーズン1では必要以上の情報が提示されることはなかった。それ以上に後藤家の奇妙さ、主人公の阿川大悟(柳楽優弥)の狂気にスポットライトが当たり、次に何が起きるかわからないホラー要素を強めていた。

 2年越しに配信されたシーズン2では一転、スピード感のある展開で序盤から一気に視聴者を引き込む。後藤家と警察による“戦争”で次々と人が死んでいく様相は、ホラーというよりスプラッター作品と評するほうが適切なほど残酷なシーンにあふれていた。

 その一方で、前述の謎がひとつ、またひとつと回収されていき、後藤家と供花村、そして「あの人」の原点を知り、私たちは気づけば恐怖とは全く異なる感情を抱いている。

 単なるホラー&ミステリー作品から徐々に変容していった『ガンニバル』。果たして、22日に配信された最終話は旧世代との戦い、決別を意味していたように思う。

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