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のんとすずの運命的な出会い~演技の魅力

女優・のん(第33回東京国際映画祭より)
女優のん第33回東京国際映画祭よりGetty Images

本作の演技と言えば、なんといっても主役のすずの声を務めた”のん”の演技に引き込まれる。

のんは、柔和ながらも張りのある声で、普段はほのぼのとした雰囲気と芯の強さを感じさせるすずを好演。後半、戦争が苛烈さを増していくシーンでは、感情をさらに声に乗せていく。

とりわけ玉音放送で敗戦が知らされ、ため込んでいた怒りと悲しみを一気に爆発させる場面は、観客の胸を深く打つ名演である。

片渕は、のんが主演したNHKの連続テレビ小説「あまちゃん」を見た際に、「すずの声はのん以外にしか考えられない」とオファー。

通常のアニメーションでは、描かれたキャラクターに合う声の声優を連れてくるのが一般的であるが、本作の場合は、片渕の考え通りのんに当てて書かれたのではないかと思ってしまうほど役者とキャラクターが同化している。

なお、のんは本作で第11回声優アワード特別賞やヨコハマ映画祭の審査員特別賞など、数々の賞を受賞している。

また本作では、小野大輔や細谷佳正ら、他の声優たちも注目。とりわけ、『アナと雪の女王』で幼いアナを演じた稲葉菜月は、ころころと変わる晴美を情感たっぷりに演じている。

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