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観客の不安を煽るバイオリンの音色〜音楽の魅力

本作の音楽といえば、なんといっても引っ掻くようなバイオリンが印象的なあの音楽が忘れられない。とくにシャワールームのシーンの音楽は、TV番組の演出などでも用いられ、誰もが一度は聞いたことがあるだろう。

この曲を作曲したのは、『市民ケーン』や『タクシー・ドライバー』など、数々の名画の音楽を手がけてきた多くのヒッチコック作品を手がけてきたアメリカの作曲家バーナード・ハーマン。ヒッチコックとも、『北北西に進路を取れ』や『めまい』でタッグを組んできた。

音楽を担当したバーナード・ハーマン
音楽を担当したバーナードハーマンGetty Images

ハーマンは、本作の恐怖を表現するために、弦楽器のみで構成されたオーケストラの楽曲をヒッチコックに提供。ヒッチコックは当初、シャワーシーンでは音楽を入れない予定だったというが、ハーマンがそれに反対し、激しいバイオリンの音色をつけた。ヒッチコックはハーマンの音楽を聞き、即座に考えを改めたのだという。

そんなハーマンの曲は、本作ではシャワールームのシーンだけでなく、マリオンの逃避行などでも使われ、観客の不安を効果的に掻き立てている。ちなみに、ヒッチコックは、ハーマンの報酬を予定の2倍に増やし、「『サイコ』の功績の3分の1は音楽によるもの」と語ったという。

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