作品の根底に流れるヒューマニズム
ミン次長やチョンウォン高の校長は目的のためなら手段を選ばない冷血漢だが、この作品に登場するほとんどのキャラクターは心優しく善良な人々だ。
ドゥシクがミン次長に捕えられた後、幼いボンソクを抱えて途方に暮れるミヒョンに優しく手を差し伸べる肉屋の女店主、自身の危険は顧みずボンソクやヒスの危機を救う“イナズママン”ことバス運転手のゲド(チャ・テヒョン)、生徒たちを単なる駒として扱うことに疑問を感じ、1人ひとりに目をかけるようになる担任のイルファンなどだ。
後半に登場する北朝鮮の軍人や超能力者たちでさえ完全なる悪人としては描かれていない。原作者のカン・プルはあるインタビューで、「優しい人が勝利する話を描き続けたい」と語っている。
血なまぐさいバトルが繰り広げられても、見終わった後になんとなくほっこりした気持ちになるのは、原作者のこの思いが本作の随所にちりばめられているからかもしれない。
(文・古舘美和)
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