バギーはよりダークさを強調する形に
バギーは、“道化”の異名を持つバギー海賊団の船長で、バラバラの実の能力者。身体をバラバラに分解できるこの能力は、原作でも実写版でも、当初のルフィ達を苦戦させる。
エピソード1の最後にその姿を見せる赤い鼻が特徴のバギー。「あの海図は俺様のだ」、「取り戻すさ、誰を殺してでもな」と、画面いっぱいにピエロの笑う顔が映し出される。原作のバギーよりもかなりダークな仕上がりとなっており、恐怖すら感じさせる実写版バギーは、ファンの間で話題となった。
本作の製作を担当したマーク・ヨープスト監督は、「あまりにも面白くて奇抜で間抜けすぎると、『ONE PIECE』の持つ深みが失われてしまう」、「ルフィが軽やかさを作品に与えてくれたので、バギーをよりダークな存在にすることを可能にしました」と、現地メディア米varietyに話している。この原作よりダークなバギーは、本作の力強いアクセントとして活躍する。
それでは、原作と実写版の違いを見ていこう。
まず、実写版では、ルフィたちは、謎の赤い煙玉によって眠らされ、オレンジ町のバギー海賊団のアジトに連れてこられる。町の人たちは、手足に錠をかけられ、”笑顔”と言われれば、笑い、”拍手”と言われれば拍手する、奴隷のように扱われていた。その後ルフィたちは、バギーの体のパーツを次々と、箱にしまうことでバギーは小さくなってしまう。
原作では、ルフィと出会う前のナミが“偉大なる航路”の海図をバギー一味から盗み逃亡中。一方ルフィは鳥に攫われているところをバギー一味が大砲で鳥を撃ち落とし、ナミの所に落ちてきて2人は出会う。ゾロもルフィを探す中、たまたまバギー海賊団の仲間を見つけオレンジの町へ向かって3人が合流する。原作では、バギーはナミにロープで体のパーツを縛られる。
また、原作では、途中ルフィは檻の中に監禁されるが、実写版では、水槽に閉じ込められ水攻めにあう。その他、バギー海賊団の参謀長カバジや、オレンジの町の町長のブードルが現れるなど、原作の内容を活かしたキャラクターやストーリーが登場する。
実写版のバギーは、町の住民を奴隷にしていたり、ピエロの姿でナイフを持つという恐怖を感じさせるキャラクターにアレンジされている。原作ではギャグキャラとして人気を誇っているだけに、実写版のダークな仕上がりに困惑したファンも少なくないだろう。