シャンクスは原作ファンも満足の再現度
シャンクスは、赤髪海賊団の大頭で、かつてはバギーと共にゴールドロジャーの船で船員見習いをしていた。主人公ルフィのトレンドマークの麦わら帽子は、「立派な海賊になって返しに来い」と、シャンクスから預かった帽子である。シャンクスは、ルフィにとって目標であり、いつの日か再会を果たしたい憧れの人物でもある。
そんな赤髪のシャンクスを演じるのは、ドラマ『SUPERGIRL/スーパーガール』シーズン2(2016)や、ドラマ『クイーン・オブ・ザ・サウス~女王への階段』(2016)などに出演するイギリス人俳優のピーター・ガディオット。
実写版ではシャンクスの特徴とも言える、その赤い髪や、目の傷がしっかりと残されている。また、シャンクス本人だけでなく、赤髪海賊団のメンバーである、ラッキー・ルウの登場や、おでこに「YASOPP」と書かれたヘアバンドを装着している、ウソップの父親の狙撃手ヤソップも登場する。
シャンクスの原作の名シーンと言えば、幼少期のルフィが、故郷フーシャ村で山賊に捕まり、シャンクスが助ける場面である。山賊とのバトルが始まる際に、シャンクスが放つ「銃を抜いたからには命を賭けろよ」や、「そいつは脅しの道具じゃねぇって言ったんだ」などの名言は残念ながらカット。実写版では、「友達に手出しは許さない」というセリフにまとめられ、山賊とのバトルが始まる。
しかし、基本的にシャンクスが登場するシーンは、原作の内容に非常に忠実に描かれているのがわかる。例えば、上記の山賊とのバトルの後、ルフィは山賊に海の上へと連れ出され、その命を奪われかけるシーン。海の巨大生物が現れ、山賊は食べられ、ルフィは海で溺れるも、シャンクスに助けられる。他にも、初めてルフィの手配書が世に出た際に、世界政府によって公認された7人の大海賊の王下七武海の一人である「鷹の目のミホーク」が、シャンクスの元へ現れ、ルフィの手配書が出たことをシャンクスに伝え、一緒に祝杯を交わす。これらのシーンは原作に非常に忠実に描かれている。
この先、シャンクスが回想ではなく同時間軸での登場に期待が寄せられている。
(文・吉田健二)