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映画『ザ・マジックアワー』<あらすじ、ネタバレ>。佐藤浩市のナイフ舐めシーンは必見。意外な結末は? ストーリーを徹底紹介

text by 編集部
ザ・マジックアワー

出典:Amazon

ザ・マジックアワー

原題:
製作年:
2008年(日本)
監督:
三谷幸喜
脚本:
三谷幸喜
撮影:
山本英夫
音楽:
荻野清子
配給:
東宝
上映時間:
136分
出演:
佐藤浩市, 妻夫木聡, 深津絵里, 西田敏行, 綾瀬はるか, 小日向文世

映画『ザ・マジックアワー』の【あらすじ】、【ネタバレありあらすじ】を紹介。三谷幸喜監督作品。佐藤浩市、妻夫木聡、深津絵里、西田敏行ら出演。売れない役者が映画監督になりすました男の口車に乗せられ、偽映画で初主演を務めることで巻き起こる出来事を描く喜劇。三谷幸喜の最高傑作と称される本作の内容を徹底解剖!

映画『ザ・マジックアワー』あらすじ

三谷幸喜監督
三谷幸喜【Getty Images】

 港町、守加護(すかご)でクラブ「赤い靴」の2代目支配人をしている備後登(妻夫木聡)は、地元を牛耳る天塩(てしお)商会のボス天塩幸之助(西田敏行)の愛人で踊り子の高千穂マリ(深津絵里)に手を出し、拉致監禁される。さらに、マリが平謝りの備後をかばったことから、2人とも殺されそうになる。

 そんな中、備後は「天塩商会が狙う伝説の殺し屋・デラ富樫を知っている」と証言。幸之助は、5日でデラ富樫を連れてくることを条件に備後を解放する。

 しかし、デラ富樫の姿は誰も観たことがなく、ピンボケした写真だけが手がかりだった。困り果てた富樫は、無名の役者をデラ富樫に仕立てるという奇策を思い付く。

 備後がニセ・デラ富樫に選んだのは、村田大樹(佐藤浩市)という中年の役者だった。村田は『暗黒街の用心棒』で主演をはった高瀬允(柳澤愼一)を敬愛するベテランだったが、演、演じた役は端役ばかり。しかし、情熱的な芝居で、スタッフやキャストから愛されていた。

 備後は早速撮影所を訪れ、村田とマネージャー、長谷川(小日向文世)に会う。そして、「日没直後のマジックアワーこそ撮影に最適で幻想的な良い絵が撮れる」と薀蓄をたれる村田に、映画の主演を持ち掛ける。しかし、備後が監督未経験でその上脚本がないことに不信感を抱き、いったん断る。

 その後、とある任侠映画に出演し、最高の演技を見せた村田。しかし、主演のゆべし(唐沢寿明)は彼の脂っこい演技を気に入らず、スタッフを代役に立てる。意気消沈した村田が黙って撮影所を後にすると、そこには備後がいた。

 備後に賭けることに決めた村田は、早速一緒に守加護へ向かう。映画セットのような雰囲気に心躍らせる村田。しかし、長谷川は未だに詐欺だと思い込んでおり、備後にカメラを見せるよう要求する。

 窮地に立たされた備後。そんな折、備後は偶然、カメラを見つけることになる。クラブ「赤い靴」のバーテンダー、鹿間隆(伊吹吾郎)が、「ガス漏れがあるからすぐ避難しろ」と言ってCM撮影中のクルーを追い払ったのだ。そして、鹿間の娘、夏子も急遽撮影に参加。マダム蘭子(戸田恵子)のホテルに宿泊中のマリを主演に、急遽港町で映画撮影がはじまる。

 翌日。備後は村田を連れて天塩のもとを訪れる。屋外から望遠レンズで撮ると信じ、天塩の前で堂々とした演技を披露。ナイフをべろべろと舐めて名乗った上、おもちゃの銃で天塩を脅して窓から脱出し、地上のトランポリンに着地するという離れ業まで見せる。

 村田の度胸に心酔した天塩は、「うちに来ないか」と誘いを持ち掛ける。実は前の月、天塩は、敵対組織の江洞商会が雇ったデラ富樫に暗殺されかけていた。デラ富樫を味方につけることで、自分の命を守ろうという算段だ。

 しかし、村田は、天塩の誘いをあっさりと断る。天塩は、銃を突きつけて村田を脅すが、撮影と信じ込んでいる村田は怯まない。焦った備後は事務所に向かい、「カット」と叫んだ後に村田を怒る。村田が平伏する備後に、ギャングたちが関心の眼差しを寄せる。

 その後、村田を部下にした天塩は、本物のデラ富樫と食事中の江洞(香川照之)に連絡。デラ富樫を引き取った旨を伝える。本物のデラ富樫は、自分の偽物がいることが知り、頭に血をのぼらせる。

 一方、天塩商会内部でも、ニセ・デラ富樫の存在を疑っている人物がいた。天塩の側近、黒川裕美(寺島進)だ。黒川は、ゲリラ組織との取引に村田を連れ出す。しかし、これも撮影と思い込んでいる村田は、銃弾飛び交う中で大立ち回りを演じ、見事に黒川の信頼を勝ち取る。

 村田の活躍を聞いた天塩は、村田を「赤い靴」の食事会に誘う。そして、楽屋にいるマリを訪ね、自分のもとへ帰ってくるように伝える。しかし、マリは首を縦に振らず、天塩の怒りを買う。

 その夜。会計係の菅原虎真(市村萬次郎)から、黒川のもとに国税局の査察が入るというタレコミが入る。裏帳簿の情報を隠すため菅原を消すよう指示された村田は、街のバーで銃を見せびらかせていた。このままでは村田が本当に殺人を犯してしまう―。備後たちは焦るが、なかなか真相を打ち明けられない。

 と、そこへ、黒川と江洞がやってくる。本物のデラ富樫を知る江洞を前に、バレバレの芝居を披露する村田。そんな村田に江洞は「君の勇気は筋金入りだ」と声をかける。

 一方、備後は、マリからの誘いで一旦街を出ようとする。しかし、どうしても村田が気になる備後は、再び街に引き返す。その頃村田は、カメラマンの鹿間や夏子とともに、菅原が潜伏する病院に向かっていた。そして、村田が菅原に銃口を向けた瞬間、備後が「カット」と叫ぶ。

 このままでは暗殺失敗がバレてしまう―。そう感じた備後は、菅原を警察署に送り届ける。しかし、警察署長の馬場(小野武彦)は天塩と癒着していた。備後と菅原は、天塩の手で地下に監禁される。

 夏子は、備後救出のため、村田に天塩の殺害を依頼。まだ映画撮影だと思い込んでいる村田は、話の流れが唐突過ぎると反論する。しかし、鹿間に丸め込まれ、その気になって天塩の事務所に突入。村田も地下に監禁される。

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