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映画『ザ・マジックアワー』【ネタバレあり】あらすじ

佐藤浩市
主演の佐藤浩市Getty Images

 その後、村田は足をセメント漬けにされ、部下にぼこぼこに殴られる。ようやく映画撮影ではないことに気付いた村田。一方、村田のもとにやってきた鹿間、夏子、マリの3人は、備後、村田の縄をほどく。

 逃走を図る5人だったが、彼らの前に黒川が立ちはだかる。しかし、村田をまだデラ富樫と思い込む黒川は「恩がある」と言って彼を見逃す。

 その後、マリは天塩のもとへ戻り、村田は帰り支度をする。しかし、備後は諦めない。マリを救い出す作戦を考えて村田に協力を依頼するが、にべもなく断られる。

 村田は帰りのタクシーで、宝物を映画館に落としてきたことに気付き、映画館へ向かう。ちょうど映画館では、鹿間に追い出されたスタッフがフィルムのラッシュを確認していた。スクリーンには、村田演じるデラ富樫が大映しにされている。スタッフたちは混乱するが、村田は映画館で自身の姿が大写しされたことに感涙する。

 意を決した村田は、備後たちが泊っているホテルに戻り、マリの救出作戦を了承する。そして村田の声掛けで、本物の撮影スタッフたちが集まってくる。

 てはじめに備後は、菅原に裏帳簿の内容を正確に暗唱させ、その様子を撮影。撮影した動画を手塩に送り、マリと菅原の交換を持ちかける。

 一方、村田は、たまたまCM撮影に参加していた高瀬允と邂逅する。高瀬は、『暗黒街の用心棒』しか代表作が無い一発屋だったが、再起を狙って役者を続けていた。役者引退の決意を固めていた村田だったが、敬愛する高瀬に「諦めるのはまだ早い」と言われ、揺れる。

 そして、いよいよ村田の一世一代の大芝居がはじまる。備後が考えたシナリオはこうだ。まず、天塩を港に呼び寄せ、交換の後、本物の菅原と鹿間演じるニセの菅原をすり替える。

 その後、ニセの菅原は、黒川に撃たれた振りをして海に転落。その隙を狙って、夏子が車で本物の菅原を逃がし、待機中の国税局に引き渡す。

 一方、天塩の目をごまかすため、長谷川たちが演じる東南アジアのゲリラ組織が登場。マリを引き渡せと要求する。

 ここで村田が登場し、マリを備後に託してひとりゲリラ組織に立ち向かう。マリを連れて逃走を図る備後だったが、村田とマリは銃撃でハチの巣に。そして、一人、死体を抱えて車に乗り込んだ備後は、車ごと爆発炎上する。つまり、村田たちは、死んだと見せかけ闘争を計るというわけだ。

 しかし、途中で予想外の展開が起こる。天塩がゲリラ組織の前に飛び出し、「殺すなら私を殺せ」と叫んだのだ。天塩の男気に本物の愛を見出したマリは、いたく感動し、そのまま天塩のもとに走る。そして、2人は手を取り合い、黒川を残してその場を後にする。

 予想外の展開にがっかりする備後たち。しかし、そこにデラ富樫(浅野和之)を名乗る男が現れる。
  
 実はデラ富樫の正体は、船医をしている清水と言う男だった。とっさに村田は「デラ富樫は俺だ!」と叫び、出番がなかった発破や爆発を使って、「指を動かすだけで爆発させられる男」を演じる。

 村田のあまりの迫力におののいたデラ富樫は、大急ぎで逃走。無事に役を演じ切った村田は、役者を続ける覚悟を固める。一方、ボスに見捨てられた黒川は、村田に弟子入りを志願する。

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