「夢を諦めない」テーマと重なる自身のキャリア
―――上京後に行った路上ライブ、大宮の劇場での漫才、大宮の劇場でのライブなど、漫才のシーンが何度も描かれていました。それぞれの漫才の描写はどのような変化を持たせましたか?
「若い頃の大波と安部が演じているシーンと、最後のオリジナル漫才は本作のオリジナルのもので、他の漫才シーンでは、実際にタモンズさんが昔やっていたネタが使われています。取材で大波さんも『昔、こんな尖ったことやっていたんだ』『恥ずかしい』って言ってました。まあ、僕たちはそれをやったんですけど(笑)
タモンズさんの実際のネタを演じる際には、ファンの方々に『ああ、こんなネタあったな』と思い出してもらいたい、と考えていたので、多少、タモンズさんを意識しながら演じました。でも、オリジナルのネタの方は、見本がなく、完全にゼロからの挑戦だったので、『このタイミングがいいかな』『この流れで行こうか』と1から2人で作り上げていきました」
―――本作は、「くすぶりながらも、もがき続ける」がテーマとなっていますが、和田さんご自身のキャリアと重なる部分はありましたか?
「今もずっと重ねています。正直、生きている限りこの葛藤は続くんじゃないかと思います。タモンズさんもそうですが、40歳を過ぎてここまで来ると、もう引き戻せないところまで来ているわけじゃないですか。例えば、20代や30代前半なら、思い切って別の仕事に挑戦したり、新しい夢を描くこともできるかもしれません。でも、この年齢になったら、突き進むしかないんですよね」
―――演じていて、感情移入される部分も多かったのでしょうか?
「そうですね。本作は、表舞台に立つ仕事や、『売れたい』と考えたことがある人達は、絶対に共感する部分があると思います。上手くいっているように見えても、自分の中では『まだまだ、こんなもんじゃない』と感じているからこそ、一生成長していくんじゃないかと思います。だからこそ僕は、もうここからは死ぬまで成長を求め続け、やり続けるしかないという覚悟がありますね」
(取材・文:タナカシカ)
【作品情報】
和田正人 駒木根隆介
辻凪子 土屋佑壱 永瀬未留 / 徳井義実(チュートリアル) 岡田義徳ほか
監督:立川晋輔 脚本:中村元樹
主題歌:河口恭吾「悪い恋人」(よしもとミュージック/ミラクル・バス)
配給:イオンエンターテイメント 吉本興業
製作:NTT ドコモ・スタジオ&ライブ 吉本興業 テレビ埼玉 the ROOM
Ⓒ2024「くすぶりの狂騒曲」製作委員会
ヘアメイク:小林純子
スタイリスト:田村和之
衣装協力:
カーディガン¥7700、カットソー¥6600ともにナノ・ユニバースその他スタイリスト私物
(問合せ先) ナノ・ユニバースカスタマーサービス0120-705-088
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