ツッコミどころ満載!? まるでモノマネコントの前半は…
物語の構成は大きく分けて、前半はコメディータッチパート、後半はシリアスタッチパートとなっている。
前半のコメディータッチパートには、素直に引き込まれた。重厚な語り口を予想してスクリーンに向き合ったのもあり、「ああ、こういう軽いノリの映画だったら、肩肘張らずに楽しめるのではないか」と感じたのだ。やや誇張して言うならば、コントを観ているような感覚に近い。木村拓哉も綾瀬はるかも、両者のモノマネで知られる「ホリ」や「沙羅」のような芸人に見えてくるから不思議だ。
それもあり、終始シリアスな芝居に徹している伊藤英明や中谷美紀が映るシーンでも、「この人たち、実は笑いをこらえながら演じていたのではなかろうか」と想像してしまい、はからずも微笑ましい気持ちになった。
そんなこんなで、筆者は少なくとも前半は、暴走する想像力に助けられながら、とても楽しく鑑賞させていただいた。さて、問題は後半部分である。
あくまで個人的な感想にとどまるが、次のように提言してみたい。クライマックスの「本能寺の変」以外のシーンは、基本、コメディータッチでよかったのではないだろうか?
その方が、本気でシリアスにならざるをえない、あの有名な史実である「本能寺の変」の描写も緊迫感が増すであろうし、最終的に自害をする信長の姿を見て、より泣けるのではないかと。勝手を承知で疑問を投げかけてみたい。
そして、もう一つ、シンプルに気になるポイントがある。それは「本能寺の変」における、「なんであんなに信長強いんだ問題」である。