祷キララ「縛られていたことに“気付く”と、楽になる瞬間がある」
―――そういうものも含めて、この作品は様々な「恋愛の呪い」を描いた作品ですが、お2人が感じるこの作品のメッセージを教えてください。
祷「振り返ってみて思ったのは、この映画は恋愛万歳っていってるわけでも、恋愛なんてしなくてもいいんだよっていってるわけでもないんですよね。そうじゃなくて、恋愛をしなければ幸せになれないんじゃないかっていう呪いとか固定観念に縛られていた自分というものに仕草が気付く…この“気付く”っていうのがすごくポイントになっている作品だと思います。
自分に当てはめて考えてみても、例えばお金はちゃんと計画的に使わなくちゃいけないとか、いっぱい使うのはよくないという考えがうっすらとあって。それは家族が、私が幸せになれるように、良かれと思って言ってくれていたことが残っているんだと思うんです。それはすごく大事なんですけど、でも同時に、ちょっと制限されている自分もいて。本当は自分が稼いだお金なんだから思い切って高いものを買ってみてもいいし、旅行に行ってもいい。誰にも許可を得る必要もないはずなのに、知らず知らず守りに入っていたけど、好きにしてもいいんだよな、と。だからといって、それまでもっていた価値観が消えるわけではないと思うんです。でも、縛られていたことに“気付く”と、ふと楽になる瞬間があって。自分が何かの固定観念に縛られていると気付くことで、気付いたうえでどうするかを選べるようになると選択が楽しくなる感覚があるな、と思ったんです。だから一歩目は、お金を使うとか使わないとか、恋愛をするとかしないとかじゃなくて、どういう呪いにかかってるかもしれないと“気付く”ことが大事だと描いていて、そういうきっかけになる作品なのかなと思いました」
平井「もう言うことないんですが(笑)。でもやっぱり、人の言葉を受けて、勝手に自分で呪いにかかりにいってるようなこともあるのかな、と思って。仕草は人との出会いや別れをきっかけに、すごくナチュラルな自分に戻っていっていると思うんですけど、端的に言えば、自分というのをプライオリティ高いところに置いて判断すればいいんじゃないのかなっていうメッセージがあるのかな、と思いましたね。同時に、いまそこに行き着きましたっていう岡田詩歌を感じます。いま、わたしはここに至りましたって」
―――なるほど、呪いに“気付く”きっかけでもあるし、その先にまだ新たななにかもあるのかもしれない…深いですね。でも、観ると人と話したくなる映画だなと思います。
平井「ほんとそうですね。人によって人生のトラウマポイントって絶対違うから、意見交換して面白い映画ですよね」
(取材・文:あまのさき)
ヘアメイク:根本佳枝(祷キララ、平井亜⾨)
スタイリスト:和田ミリ(祷キララ)
衣装クレジット(税込):
トップ¥52,800、スカート(別トップとセット売り)¥110,000(税込)/ともにヨウヘイ オオノ(アルファベットの場合YOHEI OHNO)、その他スタイリスト私物
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