圧巻のハイテンション演技の裏側

―――物語前半、山田は夢を諦めていますが、映画監督を任されてから生き生きとした表情を見せます。特に、屋上での監督としての表情から、市民に謝りに行くときの表情の差が印象的でした。どのようなところに気を付けて演じ分けられたのでしょうか？

ぐんぴぃ「順撮りではなかったので、八木監督に『ここは最初なんで、結構落ち込んでください』と、その都度、テンションの度合いを説明されました。屋上に雷が落ちて山田が作ったセットが壊れてしまうシーンは、『本当に辛いことを思い返してください』と言われたので、嫌だったことを思い出してやっていました」

―――癖のあるハイテンションな演技について、八木監督とどんなディスカッションがあったのでしょうか？

「八木監督は、『パキっていいですよ』って言っていました（笑）。意味は、『パキパキにイカれていいですよ』、『とにかくあなたが思う最大限ではしゃいでいいはずなので』ということだと思います。『じゃあ1番はしゃぎます（笑）』みたいな感じで、そして謝るところはちゃんと謝るというメリハリをつけました」

―――キャストのみなさんの表情が、山田のテンションと対比になっていました。演技ではなく本当に引いているのでは？ と思ってしまいました（笑）。

ぐんぴぃ「全部アドリブだったので本当に引かれていたのかもしれません（笑）。あと、僕はあのシーンで実際にズボンが破れたんです（笑）。でも、もうそんなこと関係なく演じていました。『こいつやばい』って思っていただけたら嬉しいですね」