アッバス・キアロスタミ監督『クローズ・アップ』 9月3日(土)よりHD リマスター版でリバイバル上映決定!
2016年に惜しまれながらもこの世を去った稀代の映画作家・アッバス・キアロスタミ。同監督の代表作のひとつ『クローズ・アップ』が【the アートシアター】Vol.4 作品として、9月3日(土)より渋谷ユーロスペースほか、全国のアートハウスにて公開が決定。現代映画の最高傑作がクリアな映像と音響で蘇る!
■INTRODUCTION■
「映画は、グリフィスに始まり、キアロスタミで終わりを告げる」—ジャン・リュック・ゴダール
「キアロスタミは10年に一人の監督!」—クエンティン・タランティーノ
『友だちのうちはどこ?』やカンヌでパルムドールを受賞した『桜桃の味』などで知られる巨匠アッバス・キアロスタミ。その美しく独創的なフィルモグラフィにおいてもひときわ異彩を放ち、いまなお数多くのシネアストを魔法のように魅了し続けている本作『クローズ・アップ』。
ある男が映画監督のモフセン・マフマルバフになりすまし、裕福な一家を騙したという詐欺事件を知ったキアロスタミ監督は、すぐに裁判所を訪れ、その公判の模様をカメラに収めることに成功する。さらに、事件に至る過程を当事者たち自身に演じさせて再現することで、事の次第を明らかにしていく。ドキュメンタリーと再現、虚構と現実を精巧に織り上げていった果てに、ついに映画は詐欺容疑で逮捕された青年の心の奥に秘められた真実を探り当てる。
めくるめくサスペンスと不意打ちをくらわされたような衝撃的な感動。時代を超えても色褪せない稀代の大傑作が、HD リマスター版でスクリーンに甦る!
■コメント■
奇跡。そうたやすく使うべきではないこの言葉を呟かざるをえない希少な機会の一つは『クローズ・アップ』を前にしたときである。
人も空き缶も虚構も現実も何もかもがカメラの前で等価になる美しさと残酷さ。必見。
深田晃司(映画監督)
【the アートシアターとは】
時代や国や地域を超え、私たちに迫り、生々しい手触りを遺す映画。the アートシアターでは、HD リ
マスターにより鮮烈に甦り、今なお輝きを増す珠玉の作品をセレクト。時にその衝撃から人生までを
も変えてしまう特別な映画体験をお届けするプロジェクトです。
《これまでの上映作品》
Vol.1 ビクトル・エリセ監督『ミツバチのささやき』『エル・スール』[2017 年 3 月開催]
Vol.2 ヴィターリー・カネフスキー監督『動くな、死ね、甦れ!』[2017 年 10 月開催]
Vol.3 ジャック・ドワイヨン監督『ポネット』[2020 年 6 月開催]
【作品情報】
映画『クローズ・アップ』
監督・脚本・編集:アッバス・キアロスタミ 撮影:アリ=レザ・ザリンダスト
出演:ホセイン・サブジアン、ハッサン・ファラーズマンド、アボルファズル・アーハンハー、メフ
ルダード・アーハンハー、モフセン・マフマルバフ
1990 年|98 分|イラン|英題:CLOSE-UP © 1990 Farabi Cinema 配給:ノーム/東風