栗山監督とダルビッシュの絆
そして、栗山のもう一つのこだわりが、大谷翔平(エンゼルス)とダルビッシュ有(パドレス)の招集だ。栗山と大谷の師弟関係は多くを語る必要もないほど有名だが、ダルビッシュは栗山自身が日本ハムの監督に就任するタイミングで海を渡り、入れ違いとなってしまった過去がある。
栗山が「スターティングメンバーの紙にダルビッシュと書き込んでみたかった」と語っているように、ダルビッシュ招集は栗山にとって“悲願”でもあったのだ。実際、キャンプに初日から合流したダルビッシュに対し、栗山が「いろいろと頼むな」と声を掛けるシーンも、カメラは映し出している。
いかに栗山がダルビッシュに対し、チームの精神的支柱として全幅の信頼を置いていたかが分かる映像だ。このチームは“キャプテン不在”でも話題になったが、事実上、その役割を演じたのはダルビッシュといっていいだろう。
そして2023年1月、登録メンバー30人の中に大谷、ダルビッシュ、ヌートバーに加え、カブス・鈴木誠也(後に負傷のため出場辞退)、オリックスからレッドソックスへの移籍が決まったばかりの吉田正尚、NPBからは若き三冠王・村上宗隆(東京ヤクルト)、前シーズンには完全試合を成し遂げた豪腕・佐々木朗希(千葉ロッテ)なども名を連ねた「史上最強メンバー」を編成する。
加えて、足のスペシャリストである周東(ソフトバンク)、前シーズンにブレークを果たした宇田川(オリックス)、湯浅(阪神)、大勢(巨人)など、“旬”の選手も積極的に招集するなど、バランスの取れた編成となっていることも見逃せない。