日本中を沸かせた侍ジャパン
熱気と選手たちのリアクションをカメラが記録

宮崎キャンプに始まり、名古屋、大阪で行われた壮行試合を重ねる毎に、侍ジャパンは単なる野球の代表チームという存在にとどまらず、日本中を巻き込む大フィーバーとなっていく。

その様子は、当の選手たちも驚くほどで、バスの中から車窓に向けてスマホを向けるほどだ。その熱気と選手たちのリアクションを、カメラは捉え続ける。

東京ドームを舞台に始まった1次ラウンド。初戦・中国戦の先発マウンドに立ったのは“リアル二刀流”大谷翔平。しかし、スポットライトを浴びたのは、攻撃の口火を切った史上初の日系選手として侍ジャパン入りしたヌートバーだ。

先頭打者として初球をいきなり中前に運び、その実力に懐疑的な声もあった中、その不安を吹き飛ばす活躍を見せたのは誰もが知るところだ。

ヌートバー招集については、栗山をはじめとする首脳陣にとっては賭けでもあった。栗山は常々、ウイークポイントとして「センターライン」を挙げており、その部分を“輸入”に頼った形だ。

仮にヌートバー招集が失敗に終われば、“ダメ出し”されたNPB12球団、さらに国内マスコミ、評論家陣から酷評されるリスクもはらんでいた。

しかし、栗山はその賭けに勝ったのだ。それは、ヌートバー本人の実力もさることながら、「ペッパーミル・パフォーマンス」に見られる明るいキャラクターと自ら溶け込もうとする謙虚な姿勢、「たっちゃんＴシャツ」を全員が着て迎えたナインの一丸となったムードが、ヌートバーの大活躍に繋がり、いつの間にか、試合前に円陣の真ん中でナインに気合を入れる声出しをするまでの存在となった。

その様子もカメラは克明に記録している。