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「あの日が全員ヤマだった」
コロナ禍での撮影で苦労したこと

五十嵐諒 写真:武馬怜子
五十嵐諒 写真武馬怜子

――― 堀内監督は、印象的だった撮影時のエピソードはありますか?

堀内「今回の撮影は時間的な制限が結構ありました。ロケ撮影は神奈川県の真鶴町で行い、室内撮影は東京。最初の一週間は東京で撮影して、残りの一週間は真鶴町で撮影する、というスケジュールでした。本当はみんなで宿泊できれば良かったんですけど、コロナ禍で出来なくて…。

撮影は大体夜からだったので、昼くらいに新宿に集まって、バン3台くらいで3時間くらい掛けて17時くらいに到着。そこから撮影して明け方新宿に戻ってきて、また次の日の昼に集合みたいな(笑)。しかも撮影が9月の台風シーズンだったので、天気の制約も結構あって再撮影をしたシーンもありました。

でも現場の雰囲気は悪くならずに、逆にみんな集中して『やるしかねー』みたいなテンションになって。楽しかったですね」

花純「砂浜で一夜を明かした日もありました」

五十嵐「あぁー!砂浜のシーンでの撮影は一晩だけなんですよ」

―――えぇー!そうだったんですか!?

堀内「本当は2日間の予定だったんですけど、台風の影響で予定が狂ってしまって。夕方から明け方までの間に撮ることになったんです」

花純「本当に浜辺に夜中いて、朝日浴びてラストシーン撮って。髪の毛の潮の軋みとかはあのままです(笑)」

堀内「あの日が全員ヤマだったような気がします」

五十嵐「凄い疲弊して(笑)」

花純「バキバキだった(笑)」

堀内「『もう朝日来ちゃうから40分で2シーン撮ります』みたいな。『イケる!』みたいな感じで何とか乗り越えられた」

―――砂に埋まっている男の人はずっと埋まったままだったんですか?

堀内「ブルーシートを張ってその上に薄く砂をかけるとか色々試したんですけど、結局現場で上手くいかなくて『俺、埋まるからいいよ』と言って下さったので実際に埋めて撮影しました」

―――じゃあ砂を掘って…。

花純「みんなでね」

五十嵐「波がどんどん近づいてくるから怖かった(笑)」

―――花火のシーンは火花を浴びてるんじゃないかと思いました(笑)。

花純「近くに置き過ぎると浴びちゃうから、みんなでヤバいヤバいとか言って(笑)」

堀内「意外と演者と火花の距離は離れているんですけど、カメラワークで浴びてるように見えるようにしました。ただ、火花に怯える演技をしてもらったのですけど、本当に熱いのか、演技なのか、正直区別がつきませんでした(笑)。しかも台風明けだったので、風がめちゃくちゃ強くて大変でした」

花純「でもそのおかげで釣りの人いなかったよね。みんなで撤収する頃に釣りの人が出てきて、たまたま良いタイミングだった」

五十嵐「そういう意味では恵まれていたのかも」

堀内「本当は脚本の段階では、砂浜に埋もれている男が口に花火を咥えているっていう設定でやりたかったんですけど、さすがに危ないとみんなに止められました(笑)」

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