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「昔の感覚を思い出してくれたらいいな」
本作に込めたそれぞれの想い

左から五十嵐諒、堀内友貴監督、花純あやの 写真:武馬怜子
左から五十嵐諒堀内友貴監督花純あやの 写真武馬怜子

―――完成した作品を観ていかがでしたか?

五十嵐「率直に面白かったです。『これで映画業界に挑んでいくんだ!』という想いもあったので『よし、これからだな』と。初めて観た時は、スタートラインに立った感覚を覚えて、身が引き締まる思いでした」

花純「自分たちが映っている映像に、海の音やchie※さんの音楽が組み合わさったものを初めて観た時は高揚感で震えました」

※東京を拠点に活動する3人組ロックバンド。本作の劇伴を担当

堀内「やっと時間が経過して客観的に観ることができます。それまでは色んな思いや反省点があって、編集時も『自分は面白いと思うけど、他の人が観たらどうなんだろう』と不安でした。これからテアトル新宿で公開されるわけですが、そのこと自体凄いことだし、僕自身、テアトルの大きなスクリーンで観るのが楽しみです。

これまでいくつかの映画祭で上映してきましたが、劇場公開を機に、映画好きだけではない、別の層のお客さんの目に触れることになります。幅広い年齢層の方に観ていただきたいですが、とりわけ若い人たちがどういう感想をもつのか、反響がすごく楽しみです」

五十嵐「僕は完成後に監督や撮影部たちと喋った時に、『やれることは全部やりきった。だからこれ以上僕らではもう無理』っていう感覚でした。これが届かなかったならしょうがないって。

でも、去年一年間色んな映画祭を回って、有難いことに評価もしていただけたので、やってきたことは間違いじゃなかったと今は思っています」

―――反響が楽しみですね! 最後にこれから本作を観る方にメッセージをお願いします。

五十嵐「ありきたりな言葉になっちゃいますが、本当に沢山の人に観てもらいたいです。この作品は若者たちの群像劇ではあるんですけど、色んな世代の方の心に響く作品だと僕は

思っています。観てくれた方が、鑑賞している間だけでも嫌なことを忘れることができたり、気持ちが明るくなるきっかけになってくれればいいなと思います。本当に沢山の方に観てもらいたいです」

花純「作品の中にある温かみや面白さが響いてくれたら嬉しいですね。どんな人も不意に思い出すような日があるかなと思うので、寝る前とかに思い出すような作品になればいいなと思うし、そういう思い出と寄り添えるような作品であればいいなと思います」

堀内「鑑賞中や鑑賞後に昔の思い出や、かつてちょっとだけ話した人とか、匂いや音とか、そういうものを思い出してもらったり、観た方の人生にほんの少しだけでも触れることができればいいなと思っています。本作を観て、少し昔の感覚を思い出してくれたら嬉しいですね」

(取材・文:福田桃奈)

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