アドリブならではの歯痒さ
ーーーアドリブなので、準備するっていうのもおかしな話なんですけど、何か心構えはありましたか?
「う~ん、私は大阪出身なので、関西弁が出ないようにすごく気をつけました」
ーーーああ、アドリブだからこそですね。
「そうなんです。普段がもうずっと関西弁で喋っているので。関東で暮らすようになってからも、全然直さずに話していまして。だから、その癖が出てしまうと、この作品の中だとちょっとそれは世界観が違いすぎるかなと、標準語を意識しました」
ーーー松村さんも含め、自分のキャラクターが犯人であるかとは、皆、知らされていなかったのですか?
「私もそれ、未だに分からないんです。私が聞きたいくらいで(笑)。まあ当然、誰が犯人かは観てからのお楽しみですね」
ーーー屋敷のメイドである三宅麗というキャラクターを演じてみて、自分と似ていると思う部分はありましたか?
「う~ん、似ている部分は特になかったかもしれません。演じるに当たって、先ほどお伝えした標準語を意識するということは、全キャラクターの中で、セリフが一番少なかったことが、むしろ、一番難しかったかもしれません。その中で自分自身に寄せるバランスも含めて」
ーーーなるほど。
「自分にあまり似ていない分、キャラクター性としてあんまり、自身のそのまんますぎるのも、違うのかなとも思いましたし。でも、『幼さが少し残る人間性のメイド』という設定をまず提示されたので、そこはすごく大事にしようっていう気持ちはありました。
だから、他の皆さんが屋敷のテーブルを囲んで会話されているシーンでも、メイドという立場なので、あまり、ズカズカ入るのも違うなという意識は持っていました」
ーーー松村さん自身としては、そのアドリブ談義の中にもっと入り込みたいとは思いましたか?
「なくはないですね(笑)。麗が事件解決の手がかりになる情報を持っているもしれないと、思うことがあっても、あんまり言い出さないようにしたりという歯痒さはありましたね」