念願の決戦! 友達兼ライバルの存在
タイトルに「ゴミ捨て場の決戦」とあるが、もちろんゴミ捨て場でバレーボールをするわけではない。
烏野高校と音駒高校の一戦に対し、高校名を文字って、カラスとネコがゴミ捨て場で争う様子を当てはめたものである。
烏野高校と音駒高校はかつてライバル関係にあり、監督同士がお互いを強く意識していた。
しかし、烏野高校はかつての監督・烏養一繋(うかい いっけい)が退き、だんだんと影が薄くなっていた。
そんな中で日向や影山などの有望な1年生が烏野高校に入り、メキメキと力をつけていき、全国大会の舞台で再び「ゴミ捨て場の決戦」が実現したという流れである。
ただ、「ゴミ捨て場の決戦」という呼び名は昔の因縁からの呼び名であるが、現在の烏野高校と音駒高校は練習試合や強化合宿で何度も顔を合わせており、今の世代においても因縁がある。
特に烏野の日向と因縁があるのが音駒の孤爪 研磨(こづめ けんま)だ。
本作は主にこの2人の戦いが見どころだ。本作はこの2人の出会いのエピソードから始まる。
日向は常にバレーボールのことしか考えていないような熱血タイプだが、対照的に研磨のほうはバレーボールに対するこだわりが薄く、ゲーム好きな頭脳派のタイプ。
さらに、勝ち負けに興味が薄く、感情をあらわにすることがなかった。だがそんな研磨は日向に興味を示していた。日向のプレーは研磨にとって予測不能であり、どのように攻略するかを楽しみにしていたのだ。
この2人はバチバチに火花を散らすというわけではなく、友達のような関係性でありながらも良きライバルだった。
両校は練習試合では何度も対戦していたが、負けたら終わりの公式戦の舞台での真剣勝負を望んでいた。
そういった背景がある試合のため、随所に過去の重要なエピソードの回想シーンが写される。
TVアニメや原作を見てきたファンにとっては「あのシーンがここにつながっていたのか」と感慨深い。また、そこまで深く見てこなかった視聴者にも映画を楽しめる演出となっている。