攻めの烏野、守りの音駒
試合は攻めの烏野高校、守りの音駒高校という構図で進んでいく。
主導権を握るのが烏野でそれに対応するのが音駒。序盤は烏野がスコアの上ではリードを奪っていく展開に。
だがそんなに甘くはない。音駒はもともと相手に先行させるタイプのチーム。烏野の攻め手に対して徐々に音駒は対応し、思うように得点を入れさせない。
そして、音駒の頭脳といえる研磨が取った作戦が烏野を追い詰めていく。その作戦は烏野の得点の要である日向にサーブを集めるというものだった。
日向にレシーブを受けさせることで攻撃の体制を満足にさせないのが狙いで、もちろん他の選手もいるので毎回得点を防ぐというわけにはいかないが、「自分だけ思うように点を取れていない」と日向を精神的に焦らせていたのだ。
1セット目は接戦ながらも、この作戦がはまったことで音駒が制し、2セット目は完全に音駒ペースで進んでいくことになる。
サーブで特定の選手を狙うという作戦はよく見られた作戦だが、ここまで日向が狙われたのは初めてのこと。鳥かごの中で飛べないカラスとネコのように鋭い目つきの研磨の描写が絶望感を引き立てる。
だが、日向はバレーボールでくじけることはなかった。どんなに狙われようとも自分のできることをこなし、そのうえでしっかりとスパイクを決めようという強い闘志をその目にたぎらせていた。
そして影山との特訓で身につけた、今まで以上に高いジャンプからのスパイクを決め、ついに逆襲が始まる。
特に空中を舞う日向のシーンは震えが止まらないほどの興奮間違いなしのシーンだ。
そして、日向と影山の活躍などで2セット目は烏野が獲得し、いよいよ運命の3セット目へと突入する。