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「現実をそのまま映し出す必要はない」映画『マッチング』内田英治監督 単独インタビュー。日本アカデミー賞監督の映画作りとは

第44回日本アカデミー賞で最優監督賞・最優秀脚本賞を受賞した内田英治監督最新作『マッチング』が2月23日より公開。土屋太鳳、実写映画単独となったSnowManの佐久間大介、金子ノブアキら豪華出演者が出演した今作。今回は、出演者とのエピソードや日本アカデミー賞監督ならではのこだわりなどを伺った。(取材・文:タナカシカ)

前作公開時から構想していたスリラー脚本

写真:武馬怜子
写真武馬怜子

―――前作『ミッドナイトスワン』の公開時から構想されていたということですが、脚本作りの出発点からお聞きしたいと思います。

「脚本作りは2、3年くらい前から、1年くらい開発していたと思います。そもそもスリラーサスペンスをやりたくて、マッチングアプリは知らないもの同士が出会うわけですから、要素としてはめちゃくちゃいいなと思っていて。でも、もうどこかの国にやられてそうだなって思っていたので、頭の中に放置してたんですけど、ある日調べてみたら、全くなかったんですね。これは拾い物だなと。それで企画を立て始めました」

―――対面でも見誤ることもあるのに、会ったことも見たこともない人となるとそこの恐怖心は拭えないですよね。もしもご自分に娘さんがいるとして、マッチングアプリを使って人と出会っていると言われたら、抵抗はありますか?

「僕はやらないですけど、古い世代なのでやるってなったら怖いなと思いますね。でも、身近なスタッフの中に、マッチングアプリでご結婚されている方や、やっている人がいたんですよ。その方を見ていると、すごく幸せそうで…。

今はこれが主流になりつつあることも取材を通して知ることができましたし。だから出会い方の一つとしては良いものだと思います。

と同時に、怖い経験をしている方も結構いらっしゃったので、使い方を間違えなければ。と思いました。両極端なものなので気をつけないといけないですね」

―――キャラクターのパーソナルな設定などはいつから決まっていたのでしょうか。

「かなり早い段階だったと思います。親子の怨念が一人の人間を追い詰めるという基本のコンセプトは結構序盤から決まっていました」

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