「単純にピュアで明るい。だから逆に、俳優に向いている。」
―――役者さんについてもお聞きします。土屋太鳳さんと金子ノブアキさんは性格が徐々に変化する難しい役でしたが、お二人の役者としての魅力はなんでしょうか。
「太鳳さんは、悩みながら表現を模索するタイプです。今回の役は、極端な性格のキャラクターではないから、ある意味一番難しかったと思います。でも周りの人は極端にキャラが振りきれているので、周囲とのバランスをとることに頭を悩ませてお芝居をしていたと思います。
金子さんは、役を考えるタイプの人で、仕事場でも永遠に考えています。多分家でも。現場では、会話の99.9%が役についての会話なんです。監督が言うのもなんだけど『どんだけ役について考えてるんだ!』って(笑)本当にのめり込みやすいんだと思います」
―――お二方の演技の方向性についてはどのように擦り合わせていったのでしょうか。
「演技指導とかはあんまりないですけど、小ちゃい頃にこういう経験をしたから、こういう大人になった。みたいな、キャラクターの背景についての話は結構話し合いました。あとは、表の感情と、裏に隠している感情と二面性があるのに、それを観客にはバレてはいけない。役者だから、心にはキャラクターの裏の感情を知りながら演技しなきゃいけない。という大変さはあったと思います。お二人は役に対して本当に真摯に向き合ってくれました」
―――佐久間大介さんは今作が実写映画単独出演となりましたが、謎めいたストーカー役という、難しい役所でした。彼の役者としての魅力をお聞きしたいです。
「すごく純朴な方ですよね。これは役者としての魅力でもあり、本来の彼の魅力でもあると思うんですけど、純真な人って役に入ると深いので、吐夢(とむ)という役になりきってくれました。それはやっぱり彼の魅力だと思います。普段は底抜けに明るいんですけどね(笑)」
―――佐久間さんは普段の活躍から、バラエティ色が強い方だという認識の方が多いと思いますが、プレス資料に『実は凄みのある目付きをしている』とありました。佐久間さんのどういうところからそう感じられたのでしょうか。
「目つき悪いじゃないですか! (笑)でも、本当に底抜けに明るい方ですよね。しかも、あの明るさも作ってるわけじゃないじゃないところが魅力です。テレビに出る方って当然作るイメージですし、キャラを演出する方も多いですよね。ただ彼は、単純にピュアで明るい!
だから逆に、俳優には向いているな。と思いました。ピュアな人って役を理解するのが早いし、役について考えることができるんです。でもよく見ると目付きに凄みがある。ただ、そんな目付きでも、決して悪い人ではない(笑)」