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「CG演出最高!」映画『スラムダンク』レビュー(前編)。映画オリジナルシーンを原作ファンが考察【あらすじ 評価 解説】

text by ZAKKY
イラストnaomik

12月3日より公開されるや否や、大反響を呼んでいる映画『THE FIRST SLAM DUNK』。今回は原作ファンのライターによる、映画『スラムダンク』の感想混じりの考察をお届け。これから当作品を観に行く予定の方は、ネタバレ全開なのでご注意あれ。(文・ZAKKY)

主要キャラクター紹介

本題に入る前にまずは、主要登場人物を紹介しておこう。

宮城リョータ

本作の主人公。湘北高校バスケ部2年/ポイントガード。

三井寿

湘北高校バスケ部3年/シューティングガード。元中学MVP選手だが、高1のころに脚を怪我し、バスケ部を脱退。挫折し、不良になり下がるが、3年時にバスケ部に復活。

流川楓

湘北高校バスケ部1年/スモールフォワード。中学時代から天才的なセンスを誇る、バスケ部のエース。

桜木花道

湘北高校バスケ部1年/パワーフォワード。原作における主人公。一目惚れした赤木晴子にバスケ部に誘われ、素人であるが、そのたぐいまれなる身体能力で特にリバウンド面において頭角を表わす。

赤木剛憲

湘北高校バスケ部3年/センター。キャプテンであり、晴子の兄。

赤木晴子

湘北高校1年。原作では、花道が一目惚れしたが、晴子は流川に片想い中。よって、花道は流川が大嫌いになるという、三角関係が生まれる。

映画オリジナル要素①
井上雄彦の読切作『ピアス』が土台になっている

映画『THE FIRST SLAM DUNK』の土台となっているのは、1998年に週刊少年ジャンプに掲載された、井上雄彦による書き下ろし読切作『ピアス』である。筋金入りの井上雄彦ファンである筆者は、予告編の時点で、『ピアス』が土台になるだろうことを予想はしていた。

ただし、海辺の崖にある洞窟のイメージがスポット的に出てくる程度だと思っていたところ、がっつりリョータのバックボーンとして描かれており、海難事故で亡くなった兄・ソータが物語のキーマンになるとは予想もしていなかったので、良い意味で予想を裏切られた次第である。

しかし、この時点で懸念はあった。『ピアス』はあくまでパラレルワールド的な物語だと思っていた筆者のようなファンからすると、映画『THE FIRST SLAM DUNK』によって正史に組み込まれてしまうのが、やや強引だと思われたからだ。しかし、原案のみならず監督も務めた井上雄彦は、絶妙なバランスで、『ピアス』の世界観を取り入れることに成功している。

湘北バスケ部のマネージャーであり、リョータが想いを馳せる綾子。彼女と実は小学生のころに出会っていたというのが、『ピアス』のメインテーマなのだが、その話に関しては、映画では一切言及されていなかった。

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