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映画オリジナル要素②
宮城リョ―タは沖縄出身で妹がいる

リョ―タにはアンナという妹がおり、この子がまた、天真爛漫で可愛らしい良いキャラをしている。リョ―タは湘北バスケ部の2年生であり、言ってみれば、バスケ部内でも次男坊。その辺の立ち位置を表わす意味でも、妹の存在はニューキャラとして効果的である。

また、沖縄出身で中学進学と共に母親の意向で神奈川に移住したという設定も、活きている。生意気ではみ出し者のリョータの不良学生時代は、ここからスタートしたのだ。

映画オリジナル要素③
宮城と三井の中学時代のエピソードがある

中学1年生のころに1人、街の屋外バスケコートで練習をしていたリョ―タ。そこに「キミ、小学生?」と、ぶらりと現われ、1on1の相手となったのは、当時、中学2年生であり、後に因縁の間柄となる三井寿であった。

初見では蛇足だと感じたが、これはこれでアリだと小膝を叩いた。映画では、湘北高校1年時の生意気だったリョータが、当時2年であり、脚の怪我によりバスケに挫折し、不良になり下がった三井とその仲間たちにヤキを入れられるシーンがある。三井は、リョ―タの荷物から転げ落ちたバスケットシューズを見るなり、悔しそうな顔で蹴り飛ばす。そして、リョ―タは三井に対し「1on1なら、いつでも相手になってやるよ!」と言い放つのだ。このセリフは原作にはない。

三井と宮城が中学時代に出会っていたという設定を導入することで、原作で描かれる三井軍団バスケ部襲撃事件において、リョータが言い放つ「三井さん。一番、過去にこだわっているのは、あんただろ…」というセリフが、より深みが増すように思えるのだ。映画『THE FIRST SLAM DUNK』を鑑賞した上で原作を読み直すと、新しい発見と感動が得られるだろう。

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