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映画オリジナル要素⑤
沢北の神社参拝と試合後に号泣するシーンがある

全国大会2戦目にして、湘北高校は全国最強である山王工業と対戦。山王戦は原作のクライマックスであり、言うまでもなく、本作のメインストーリーでもある。沢北栄治は王者・山王のエースプレイヤーだ。

沢北がらみで、新たに挿入された映画オリジナルシーンが2つある。1つ目は、試合前に神社に参拝し、「今まで経験したことがないことを経験できますように」とつぶやくシーンである。

この祈願は、結果、沢北にとって初めての敗北という「経験したことのない経験」として叶ってしまうのだ。

そして、二つ目は、敗戦後に号泣するシーン。原作では先輩・河田雅史にプロレス技をかけられ、「すぐ泣く!」とからかわれている澤北。そんな人間臭い絶対的エースのキャラクターを掘り下げようという意図が見えるのだ。

ここまで、原作にはない、映画オリジナルシーンを考察してきた。最後に、原作との比較は度外視して、独立した映画作品として筆者が優れていると感じた点に触れたい。

サウンドトラックがとにかく素晴らしい

オープニングテーマには、The Birthday。エンディングテーマと劇伴曲には、10-FEETの楽曲が起用され、どれも絶妙なプラス効果を醸し出し、作品を盛り上げている。両アーティストとも、井上先生が熱望し、オファーしたのだとか。

試合描写の臨場感が素晴らしい

山王戦はすべてCG描写が施されている。予告編では、ほぼ試合のシーンしか映し出されていなかったため、物議を呼んだのだが、断然、CG描写で正解だと断言したい。実在のバスケ選手にモーションキャプチャーを依頼し、再現したとのことだが、そのリアリティーには思わず唸ってしまった。湘北対山王の試合が実際に動いたら、こんな感じなのだと、ファンのみならず、原作未読の人でも圧倒されるであろう。

(文・ZAKKY)

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