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「名シーンをカット!?」映画『スラムダンク』レビュー(後編)。原作とここが違う! 5つの変更点は?【評価 解説 考察】

text by ZAKKY
イラストnaomik

12月3日より公開されるや否や、大反響を呼んでいる映画『THE FIRST SLAM DUNK』。今回は原作ファンのライターによる、映画『スラムダンク』の感想混じりの考察をお届け。これから当作品を観に行く予定の方は、ネタバレ全開なのでご注意あれ。(文・ZAKKY)

改変不満点①
リョータと綾子の関係性が希薄

原作では、マネージャーの綾子にぞっこんなリョ―タ。しかし、今作ではその描写があまりない。なので、綾子がリョータの手の平に「No.1ガード」と書いたり、リョ―タの母親と綾子が言う「行け!」というセリフが、何だか重みを帯びておらず、残念に思えた。もう少しリョータの綾子への想いが伺える描写がほしかったところである。

改変不満点②
桜木・流川・晴子の関係性が希薄

これは、原作未読の方にとって、一番理解できなかったポイントではないだろうか。そもそも原作では主人公である花道が、今作では脇役である。この点に関しては、そういうコンセプトなのであるから、何も言うことはない。しかし、桜木・流川・晴子の三角関係に関する説明描写が一切ないというのに引っ掛かりを覚える。

まず、説明描写がないと、花道と流川がなぜにいがみ合っているのかが、わからない。終盤の回想シーンでは、原作通り、晴子が花道をバスケ部に勧誘する際に「バスケットは好きですか?」と聞き、花道が顔を赤らめる描写が描かれる。

これは筆者のアイデアではあるが、その後に「流川くんに片想いしているの…」といった描写も入れて、花道が嫉妬し、流川に対抗意識を燃やすといったくだりがあってもよかったかもしれない。それほど、3人の関係性が希薄に思えたのだ。

また、上記の回想シーンでは、晴子による「(赤木が)お兄ちゃんなの」というセリフもあるが、そこに兄でありキャプテンである赤木剛憲の姿が映し出されていないので、誰を指して兄と言っているのかも、よくわからない。こちらも挿入すべきだったのではないかと、ついつい老婆心を抱いてしまった。

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