原作・押切蓮介×監督・白石晃士による映画『サユリ』が8月23日（金）より全国公開される。主役の神木則雄を演じた俳優の南出凌嘉さんと、則雄の同級生であり、強い霊感の持ち主・住田に扮した近藤華さんへのインタビュー。作品にかける思いをたっぷり伺った。（取材・文：山田剛志）

初共演の2人。互いの印象は？

―――白石晃士監督のインタビューによると、お2人ともオーディションで役を勝ち取られたとのことでした。お2人が初めての顔を合わせたのはいつでしたか？

南出凌嘉（以下、南出）「最終オーディションで相手役を務めてもらったのですが、その時が最初の顔合わせの機会でした。共通の友達がいて、元々存在は知っていたので、『この子が近藤華か』と思ったのが第一印象でした」

―――近藤さんは南出さんの第一印象はいかがでしたか？

近藤華（以下、近藤）「オーディションで演じたのは、私が演じる住田と南出さん演じる則雄が感情むき出しで言い合うシーンだったのですが、その時に『エネルギーが強い人だな』と感じたのを憶えています」

―――劇中で住田と則雄が初めて一緒のフレームに収まるシーンでは、住田が則雄に接近するスピードや、 まったく合わない視線、堰を切ったような話し方が印象的でした。その後の不穏な展開を予感させ、とても素晴らしいと思ったのですが、このシーンのお芝居はどのようにして作り上げられましたか？

近藤「私はオタク気質なところがあって、 好きなことについて話しているとついつい早口になっちゃうし、緊張すると動きも固くなるんです。このシーンの演技は、結構自分の素が出ている気がします。あと、私自身オタクなんですけど、普段街で見かけるおもしろいなと思った方の動きを見るのがすごく好きでして。目で追いながら『うんうん、なんか 楽しそうだな』と思って、観察をするクセがあるんです」

―――人間観察が役づくりに活きたのかもしれませんね。

近藤「はい、そうですね」