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近藤華「想像力を働かせて一つひとつ考えていった」
恐怖シーンにおけるリアクションのお芝居について

スタイリスト:杉長智美/Tomomi Suginaga ヘアメイク:井出真紗子/Masako Ide
スタイリスト:杉長智美/Tomomi Suginaga ヘアメイク:井出真紗子/Masako Ide

―――本作は一般的なホラー映画に比べて、役者さんが叫んだり、パニックになるシーンは比較的少ないと思いました。静かな演技で観客を怖がらせるのはとても難しいと思いますが、リアクションのお芝居で意識されたことがあれば教えてください。

南出「目の前で起こる出来事に新鮮な気持ちで向き合って、自分が死ぬんじゃないかという恐怖、家族が亡くなることの悲しさをしっかり表現しようと思いました。一方で、自分が悲しんだり、怖がることによって役に同情させるのではなく、お客さんも一緒に怖がってもらう、あるいは、一緒に楽しんでもらうことを強く意識しました。今まではどちらかと言うと、お客さんに感情移入してもらうことを意識してお芝居をしていたのですが、今回は考え方を変えて、初めてのアプローチでお芝居に臨みました」

―――南出さん演じる則雄には、あっけらかんとした強さがあって、観客を同情させるというよりかは、引っ張っていくような役割を果たしていると思っていたので、南出さんが意識して演じられていたことがわかり、腑に落ちました。近藤さんは、リアクションのお芝居でどのようなことを意識されましたか?

近藤「普段生きていて、この映画で描かれているような極限の境地に立たされることってまずないので、役づくりには苦心しました。それでも得体の知れないものに襲われたら「鼓動が早くなるだろうな」、「目を見開いて、襲ってくるものを懸命に観察しようとするだろうな」と、想像力を働かせて、口の動きや呼吸のあり方など、一つひとつ考えていきました」

―――考えたことはノートにメモをしたりするのでしょうか。それとも頭の中にとどめておくのでしょうか。

近藤「今作に関してはメモをとることはしなかったですね。想像力を膨らませるために洋画のホラー作品を観て、それを参考にさせていただきました」

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