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南出凌嘉「笑って観ていただいても個人的にはオーケー」

スタイリスト:岡本健太郎 KENTARO OKAMOTO
ヘアメイク:亀田雅 MASA KAMEDA
スタイリスト:岡本健太郎 KENTARO OKAMOTOヘアメイク:亀田雅 MASA KAMEDA

―――お2人は同級生の設定でありますが、随所で則雄は住田に敬語を使っています。2人には独特の距離感がありますよね。

南出「その設定は台本にもあるのですが、僕自身、同級生とタメ語で話していても、時折敬語が混ざったりすることが多くて。その辺も含めて、今回は役との共通点が多かったです。僕も則雄と同じ祖母ちゃん子(ばあちゃんこ)ですし」

―――南出さんは近藤さんのクランクアップの日は、出番がないにもかかわらず、現場に残って花束を渡されたそうですね。

南出「その前のシーンが同じだったんです。 次のシーンでクランクアップだったら、そのまま帰っちゃうのも寂しいと思ったので、現場に残って、皆さんと夜ご飯を食べながら、上から住田が走っているシーンを見ていました」

―――近藤さんのお芝居を俯瞰でご覧になって、いかがでしたか?

「クランクアップのシーンは、則雄と連絡がとれなくなった住田が焦って則雄の家に駆け込んでくるシーンだったんです。その後のシーンを先に撮っていたので、『これがあそこに繋がるのか』と思いながら見ていました。住田が則雄の家に不法侵入する一連のシーンが僕は凄く好きなんです。手に持っていたのはたしか…」

近藤「ハンマー」

南出「ハンマーを片手に駆けつけるシーンが妙に面白くて(笑)。恐怖に震えるようなお芝居をしなければいけないのに、現場では笑いをこらえるのが大変でした」

―――ちなみにあのシーンでは、住田が家に侵入する瞬間は省略されていましたね。ハンマーで玄関を突破するカットは現場レベルでも撮っていなかったのですか?

近藤「撮ってないですね」

南出「起きたら横でハンマーを持っている(笑)」

―――随所で「笑ってもいいんだよ」という自由さがこの映画にはあって、それが作品を魅力的にしていると思いました。サユリという悪霊は、人の弱気や、恐怖心、不安な気持ちにつけ込むわけで、見方によっては滑稽に見える描写もポジティブに機能していると思いました。

南出「そうですね。あのシーンでは則雄も住田も怖がっていますけど、同級生がハンマー片手にやってきたというのはとても面白い描写だと思うので、笑って観ていただいても個人的にはオーケーだと思っています」

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