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「堂本さんは生まれ持った才能がある」映画『まる』荻上直子監督インタビュー。本作への思いとは? 堂本剛の出演を熱望したワケ

映画『かもめ食堂』(2006)などを手掛ける荻上直子監督の最新作『まる』が10月18日(金)より公開となる。約2年前より監督がオファーを出し、堂本剛27年ぶりの映画単独主演が実現した本作。今回は、荻上直子監督にインタビューを敢行。堂本さんを当て書きした経緯や、作品に込めた思いをお聞きした。(取材・文:タナカシカ)

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堂本剛さんへの興味から始まった企画の誕生

荻上直子監督
写真:武馬怜子

―――今回の企画が立ち上がった経緯についてお聞かせください。

「プロデューサーに『一緒に映画を作りたい相手は誰か』と聞かれたとき、以前から堂本剛さんに興味があると伝えていました。正直、堂本剛さんが映画に出演するとは思っていなかったのですが、もしかしたら出てくれるかも、という話を聞いて、すぐに『脚本を書こう』と決めました。おおまかに書いたものを堂本さんに読んでもらい、その後、堂本さんと話し合いながら脚本を書き進めていきました」

―――堂本剛さんと一緒に仕事をしたいと思ったきっかけを教えてください。

「映画監督になってからの話ですが、30歳を迎えて映画監督としてデビューし、少しずつ映画を撮り始めました。しかし、うまくいかないことが続いたり、思うように作品を作れない時期があり、精神的に辛い状況になりました。

そんな時に、堂本さんを偶然テレビで見かけたときに、彼もどこか苦しそうに見えたんです。テレビの中では冗談を言ったり、人を笑わせたりしているんですよ。だけど、どうしても彼の内面にある苦しさが垣間見えてしまう部分があったんです。どうしようもなく人を惹きつける何かがあるんだろうなと。それ以来、ずっと堂本さんのことが気になっていました」

―――普段はあまり当て書きをされないそうですが、本作では堂本剛さんを意識して書かれたそうですね。沢田という主人公を作る上で意識した点を教えてください。

「当初から当て書きの予定で、主演が決まったときから、堂本さんを中心とした映画を作りたいという思いが強まりました。彼の過去のインタビューをいくつか読み進めていく中で、若い頃はとても多忙で、自分自身を見失い、精神的にとても辛かった時期があったみたいで、そんな中で、彼は音楽に救われ、自分というものを取り戻した。という記事が印象に残っていたんです。このエピソードを元に、自分自身がわからなくなるというテーマを考えました」

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