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「すごく悔しくて仕方がありませんでした」
演技と自分の心が一体化した瞬間

川栄李奈
写真:wakaco

―――税務署チームの本読みの様子を教えてください。

「税務署らしく真面目に黙々と行っていました。でも内野さんが『望月さくらのキャラクターについて、川栄さんにもっとわかりやすく伝えたほうがいいんじゃないか』と監督に言ってくださって。後日、監督から、さくらのバックボーンが書かれたプロフィールをいただきました。内野さんは本当に細かいとことまで目を配ってらっしゃってすごいなと思いましたし、とてもありがたかったです」

―――プロフィールに書かれていた望月さくらのバックボーンはどのようなものなのですか?

「お父さんが詐欺師に騙されたことがあり、そのことがきっかけで、国税局で働くことを目標にしてきた女性。父を騙した詐欺師が許せなかったんだと思います。さくらには国税局員になるという強い意志があるので、その気持ちを忘れずに演じようと思いました」

―――内野さんが演じる熊沢はさくらの上司ですが、バディのような関係でしたね。内野さんと共演して刺激になったり、学びになったりしことはありますか?

「さっきもお話ししたように、私が演じやすいように監督に伝えてくださったり、みんなが現場で動きやすいようにさまざまな提案をしてくださったり、座長として現場を引っ張ってくださいました。私はついていくだけで精一杯でしたが、内野さんの座長としての振る舞いやお芝居を間近で見られたことは本当によかったです」

―――印象に残っているシーンはありますか?

「さくらは正義感が強いので相手が権力者でも『間違っている』と思ったらドンドン詰め寄ってしまうタイプなんです。だから脱税疑惑にも真正面から切り込もうとするのですが、返り討ちにあって、キャリアの危機に陥ってしまいます。そのシーンを撮影していたとき『さくらは間違っていないのになぜ?』とすごく悔しくて仕方がありませんでした。真面目にコツコツと頑張ってきた者が損をする世界ってどうなんだろうと。世の中にはこういうことは多くあると思うのですが、実際にお芝居でその気持ちを感じてやるせなくなりました。演技と自分の心が一体化した瞬間でしたね」

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