映画『THE 有頂天ホテル』<あらすじ、ネタバレ>三谷幸喜最高傑作。波乱続きの展開…意外な結末とは?
THE 有頂天ホテル
映画「THE 有頂天ホテル」の【あらすじ】、【ネタバレありあらすじ】を紹介。三谷幸喜監督作品。 役所広司、松たか子、佐藤浩市、香取慎吾、篠原涼子ら出演。年越しイベントを控えた高級ホテルを舞台に、従業員や歌手、政治家、探偵らが入り乱れて巻き起こるトラブルの数々を、ラストまで徹底網羅!
映画『THE 有頂天ホテル』のあらすじ
大晦日の夜。高級ホテルの「ホテル・アバンティ」では、新年を迎えるカウントダウンパーティーの準備が急ピッチで進んでいた。本ホテルの副支配人、新堂(役所広司)はお客様を家族と考える敏腕ホテルマンで、従業員や客からの信頼も厚い。
しかし、その年は輪をかけて忙しかった。なぜなら、ホテルのスウィートルームに、汚職事件で世間を騒がせていた議員の武藤田(佐藤浩市)が潜伏しており、エントランスにマスコミが殺到していたからだ。
そんな中、この日はもう一つ、従業員にとって忘れられないイベントが行われていた。ベルボーイ憲二(香取慎吾)の送別会だ。プロの歌手を目指して上京し、ホテルでアルバイトをしていた憲二は、夢をあきらめて実家に帰る決意を固めていた。
舞台監督を志し、挫折した経験がある新堂は、夢を諦める憲二に反対し、説得を試みる。
しかし、憲二の決意は固く、客室係の睦子(堀内敬子)にギターを、アシスタントマネージャーの矢部(戸田恵子)にバンダナを、新堂に幸運の人形をプレゼントする。
なお、この日は、功績のあった人物を表彰する「ステージマン・オブ・ザ・イヤー」の授賞式も開催されており、新堂の元妻である由美(原田美枝子)も夫の堀田(角野卓造)と参加していた。
受賞者が由美だと思った新堂は、自分も芝居を続けていると嘘をついてしまう。
一方、帰る予定だった客室係のハナ(松たか子)と睦子は、急遽掃除の依頼が入り、クロフォード・スウィートに直行。荒れた部屋に怒りをぶつけながら掃除をする。
そんな中、ハナは、宝石と毛皮のコートを発見し、子供を産まなければ今頃こんな生活をしていたかも、と夢想し、宝石とコートを身につけてポーズを決める。
と、そこへ、耳の大きな男(近藤芳正)が入ってきて、ハナを宿泊者と勘違いし、ラウンジへ連れていく。実はこの部屋の宿泊者は、とある社長(津川雅彦)の愛人なおみ(麻生久美子)で、耳の大きな男は社長の息子だった。
一方、新堂は、芸能事務所の社長からカウントダウンイベントに出演予定の新人歌手、桜チェリー(YOU)を売り込まれる。そして社長は、新堂に、チェリーがいるライオネル・スウィートの鍵を託す。
その頃、授賞式前にラウンジを訪れた堀田は、コールガールのヨーコ(篠原涼子)に声をかけられる。堀田は、かつてヨーコを買った際に、全裸でクネクネダンスを披露。ヨーコは、その動画を待ち受けにしていた。
あまりにも馬鹿馬鹿しいダンスに、イヤなことも忘れられる、というヨーコ。そんな彼女に堀田は削除を要請するが、ヨーコはそれを拒み、逃走。地下駐車場に逃げ込み、マスコミから逃れるために待機していた武藤田に声をかける。
一方、ホテルのトレーニングルームで盗難騒ぎがあり、ホテル専属の探偵(石井正則)が捜査をはじめる。
この探偵、少し前に、カウントダウンパーティーに出演する腹話術師、坂田万之丞(榎木兵衛)の相方のアヒル、ダブダブを探しており、捕獲に成功していた。しかし、ダブダブは、矢部がもらった憲二のバンダナを奪い逃走を図る。
一方、ラウンジでカフェオレを飲んでいた憲二は、客室乗務員の服を着た小原なおみに声をかけられる。憲二と同郷であることを知り、すぐに仲良くなるなおみと憲二。
しかし、憲二が夢を諦めると聞くと、なおみは怒り出す。そして、憲二が新堂から演歌歌手の徳川膳武(西田敏行)の出迎えを頼まれると、なおみは「チャンスだ」と言って彼を煽る。
その頃、「ステージマン・オブ・ザ・イヤー」の授賞式の準備を行っていた新堂は、この授賞式が「ステージマン(舞台監督)」ではなく、「スタッグマン(趣味でシカの交配を研究する人々)」を表彰するアワードであることに気づき、愕然とする。
しかし、一度ついた嘘は撤回できない。新堂は、嘘を貫く彼に気づき、会場を後にした由美を追跡。その途中で、芸能事務所の社長から渡された鍵でライオネル・スウィートのドアを開ける。
新堂が中に入ると、そこではチェリーが首を長くして待っていた。しかし、社長から枕営業を強要されていたチェリーは、彼を殴って逃走。新堂は由美に、「最低の夜だ」とつぶやく。
一方、耳の大きい男から別れの手切れ金を積まれたハナは、なおみと自分の境遇を重ねる。実はハナ、武藤田の元愛人で、息子の太郎は、彼の隠し子だったのだ。
その頃、堀田は、最上階のレストランで武藤だとヨーコを発見。ヨーコに動画を消すよう掛け合うが、武藤田に追い払われる。
この時、武藤田は、真実を暴露して政界から干されるか、沈黙を守って悪徳政治家として生きるかという二者択一に迫られていた。しかし、優柔不断な彼は、どちらの道も選択できず、自殺を口にする。