映画『THE 有頂天ホテル』【ネタバレあり】あらすじ
ヨーコは武藤田に幸運の人形を渡し、どんなことがあっても生きるよう説得する。幸運の人形は、憲二から新堂、新堂から由美、由美から堀田、そして、堀田からヨーコの手に渡っていたのだ。しかし武藤田は聞く耳を持たず、部屋に閉じこもってしまう。
一方、武藤田に追い返された堀田は、廊下でまたもやヨーコらしき人物を発見する。しかし、それはヨーコのカツラとコートを盗んで逃げるチェリーだった。
堀田に追われ、ホテルの物置に逃げ込むチェリー。そこにはなんと、顔を白塗りにしたいたずら好きの総支配人(伊東四朗)がおり、3人はそのまま閉じ込められてしまう。
主役の堀田が行方不明になり、途方に暮れる「スタッグマン・オブ・ザ・イヤー」の関係者たち。会場に呼ばれた新堂は、後に引けなくなり、受賞者に扮して壇上に上がる。
しかし、その後、由美が堀田の代理で壇上に上がったことから、自分の嘘が全てバレていたことを知る。
ホテルマンという職業を恥じたことに自己嫌悪する新堂と、彼を励ます由美。そんな折、新堂のもとに、武藤田が自室で拳銃自殺を図ろうとしているとの知らせが入る。
早速武藤田の部屋に向かった新堂は、ドアチェーンを切ろうと格闘する。と、ちょうどその時、隣の部屋から憲二の歌が聞こえてくる。
騒動の少し前。武藤田の隣の部屋には、演歌歌手の徳川と憲二、なおみがいた。大事な舞台を控え、情緒不安定になる徳川。そんな彼を見てなおみは、憲二に、徳川を励ますように促す。
憲二の歌を気に入り、一緒に歌い始める徳川。武藤田は、歌の歌詞に心打たれ、自殺を思い止まる。そして、武藤田は憲二を熱く抱擁し、徳川に幸運の人形を渡して去っていく。
その後、なおみは、客室乗務員の制服を返し、自室に戻る。一方、なおみと間違われたハナは「愛しているなら一緒になるべきだ」と社長を説得。客室係に戻る。そして、自室に戻ったなおみのもとに向かい、「諦めたら後悔する」と助言し、社長の居場所を伝える。
一方その頃、武藤田は、緊急記者会見を開き、政府の内幕を洗いざらい暴露する覚悟を決めていた。しかし、そこになおみと別れたハナがやってきて、「汚名を被っても政治家として生き残る道を選びなさい」と助言する。
この言葉に感化された武藤田は、記者会見は中止する、と言い始める。
すると、今度は、武藤田の秘書が我慢の限界に。「全てぶちまけてやる」と武藤田を脅し、金銭授与の証拠写真が残った携帯を持って逃走。その後を新堂たちが追跡する。
一方、憲二は、自分のところへ戻ってきた幸運の人形を不思議そうに見つめながら、チャペル内を歩いていた。するとそこへ、憲二のバンダナをつけたアヒルのダブダブがやってくる。
さらに、今度はチャペル内で、丹下(川平慈英)からプロポーズされていた睦子が、憲二にギターを返す。この巡り合わせに運命的なものを感じた憲二は、愛用品をつけて雄叫びをあげる。
その頃、秘書を追う新堂たちの前に、物置から脱出した堀田が現れる。堀田は、秘書の携帯をヨーコのものと勘違いし、その場で奪って破壊。周りが呆気にとられる中、堀田は高笑いして走り去る。
武藤田の元に戻った新堂は、今さら会見を中止にするのはホテルの信用問題に関わると説得。会見を開く代わりに、必ずマスコミから守ることを約束する。
その後、マスコミの前に姿を現した武藤田は、すぐさま会見の中止を発表。そこへ徳川が現れ、騒ぎ出すマスコミに向かって歌を歌う。
徳川が時間稼ぎをしている間に武藤田を脱出させる算段だ。新堂は、従業員に扮してホテルを出る武藤田を、「いってらっしゃいませ」と言って送り出す。
一方、社長から歌いたくもない歌を歌わされていたチェリーは、「歌いたい歌がある」と言って社長を怒らせ、事務所をクビされる。
しかし、他の芸人たちの好意で、カウントダウンパーティーに登壇。会場にいたハナやなおみ、社長、ヨーコ、秘書らの歓声を浴びる。
歓声にノッたチェリーは、総支配人に代わり、年越しのカウントダウンまでしてしまう。そして年が明け、一同は賑やかに新年を祝う。この時由美は矢部に、「新堂のことをよろしく」と伝える。一方、丹下は、睦子との結婚に大喜びする。
会場を満足げに眺めていた新堂は、ホテルの玄関へ急ぐ。そして、今年最初のお客様を、「おかえりなさいませ」と言って出迎える。
【関連記事】
”美女と野獣”を基にした理由は? なぜ物語が酷評されているのか? 映画『竜とそばかすの姫』考察。珠玉の主題歌と舞台も解説
映画『東京物語』世界が認める名作を徹底解説。「私ずるいんです」紀子の言葉の真意とは? <あらすじ 評価 考察 レビュー>
ガチの暴力シーンが凄まじい…ラストの女の不可解な行動とは? 映画『その男、凶暴につき』徹底考察。北野武演出と音楽も解説